PC活用に先進的なデジタルノマド達の中でも、「AI(人工知能)」は関心が高い話題だという。大瀬良CEOは「AIがなければ、このカンファレンスは成立しなかった」と明かす。日本語と英語の資料作成、コミュニケーション支援など、従来であれば3倍の時間がかかっていた作業が効率化されたという。
将来的に、よりパーソナルなAIが登場し、仕事のやり方だけでなくライフスタイル全体を変革していく――そう予想するのは、日本マイクロソフトの佐藤久氏(デバイスパートナーソリューション事業本部長)だ。
佐藤氏は「これはスマートフォンが登場した時と同等か、それ以上のインパクトがある変革になる」とも予言する。
その背景には、「クラウド」「半導体」「アルゴリズム」の3つの技術要素が同時期に進化を遂げたことがある。佐藤氏はこう語る。特にNPU(Neural Processing Unit)の搭載により、1秒間に40兆回もの演算処理が可能になり、これまでクラウドに依存していた高度なAI処理をローカル環境で実現できるようになったことは大きいようだ。
その上で、佐藤氏は以下のように話した。
Copilot+ PCは、作業ツールとしてのPCから、ユーザーの“分身”として機能する方向に進化していく。個人の好みや行動パターンを理解し、コンテキストに応じた最適な支援を提供する。Windowsのアップデートを通じてAIモデル自体も継続的に進化していくことになる。
単なるソフトウェアの販売ではなく、デバイスとサービスを一体化させた形で、使い方も含めてお客さまに届けていく。
ユーザーが常に最新のAI機能を活用できる環境にできるように取り組む姿勢を示した格好だ。
Colive Fukuoka 2024は、Copilot+ PCによりデジタルノマドの働き方が浸透する新しい可能性を示した。AI機能を搭載した次世代PCが、場所や言語の壁を超えた働き方を支援し、そしてそれを受け入れる都市のインフラも整いつつある。
福岡市の挑戦は、デジタルノマドという新しいワークスタイルと、それを支えるテクノロジーの実証実験ともいえる。その成果は、今後の日本のデジタル化推進にも大きな示唆を与えるだろう。
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