Z世代向けのモバイルノートPC「LAVIE SOL」登場 NECPC×Nontitleのコラボで誕生

» 2024年11月14日 20時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は11月12日、13.3型モバイルノートPC「LAVIE SOL(ソル)」を発表した。発売は11月21日の予定で、量販店モデルの想定価格は、下位モデルが19万7780円、上位モデルが21万9780円となる。Web直販サイト「NEC Direct」限定のカスタマイズモデル(LAVIE Direct SOL)の最小構成価格は17万2000円だ。

LAVIE SOL LAVIE SOL(左からフェアリーパープル、プラチナシルバー、ムーンライトブラック)

LAVIE SOLの概要

 LAVIE SOLは、NECPCとYouTube番組「Nontitle(ノンタイトル)」のコラボレーション企画「Nontitle PROJECT LAVIE」から生まれた新シリーズで、「Z世代による、Z世代のためのパソコン」として企画/開発された。具体的には、一般的な大学生が4年間使うことを前提に、外観デザインやスペックなどを決めていったという。SOLという名前には「太陽のように常に寄り添ってくれるPCになってほしい」という思いが込められているそうだ。

Nontitle PROJECT LAVIEの第1話
5人 本製品の説明会には、Nontitle PROJECT LAVIEのメンバー6人のうち5人が集まった(左からづめさん、まりなさん、あきさん、みゆかさん、のすけさん)

 ボディーはアルミニウム製で、天板はフラットなデザインとなっている。メンバーのみゆかさんから「Surface(Laptop)の14.7mmより薄くしたい」というという意見があったことから、厚さは約14.3mmに抑えられた。デザインを重視する観点から、NECPCとしては初めての「かな表記なしキーボード」「底面カバーに印字されたシリアル番号」にもチャレンジしている。

 また、メンバーのまりなさんから「パステルカラーですね、譲れないヤツ」との発言があったことから、従来のNECPCのノートPCにはなかった「フェアリーパープル」というパステルカラーが用意されている(他には「プラチナシルバー」と「ムーンライトブラック」も選択可能)。

 加えて、スマートフォンに慣れ親しんだZ世代向けの製品ということで、FOXのテックアクセサリーサイト「Caseplay(ケースプレイ)」において、1000種類以上の天板ケースをオプション品として販売する。

天板 天板はフラットでシンプルなデザインとなっている
ケースプレイ Caseplayでは本製品用の1000種類以上の天板ケースが販売される。Caseplayはオンデマンド印刷技術を生かした“少量多品種”のスマートフォンケースで知られており、天板ケースもそのノウハウを生かして作られる(写真は販売予定のデザインのごく一部)
実際に付けてみた 実際に天板ケースを付けた例
キーボード キーボードは、NECPCとしては初めてかな印字なしとなった。「Copilotキー」が付いたこともポイントなのだが、実は他にも注目すべきポイントがある(後述する)

 ディスプレイは1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10)の13.3型IPS液晶を搭載する。本製品はクラムシェルボディーとなっているが、スマホでタッチ操作に慣れているZ世代に配慮してタッチ操作にも対応している。画面もグレア(光沢)加工で、Corning製の強化ガラス「Gorilla Glass」でカバーされている。

 なお天板と画面ガラスには「シルクタッチコート」が施されており、ハンドクリームなどしつこい汚れでも簡単に拭き取れるようになっている。

 ディスプレイの上部には、フルHD(1920×1080ピクセル)撮影と顔認証に対応するWebカメラを備えている。Z世代の特に女性は、スマホのインカメラを使って身だしなみをチェックすることがあるという。「ノートPCのインカメラでも同じことができるといい」ということで、本製品ではカメラアプリを起動するためのショートカットキーを新設した。

 ちなみに、本製品のキーボードにはYouTube(Web版)を一発表示するショートカットキーや、プリインストールされているAIベースのチャットボットアプリ「LAVIE AI Plus」を一発起動するためのショートカットも設けられている。

ディスプレイ ディスプレイは13.3型IPS液晶で、光沢加工となっている。Nontitle PROJECT LAVIEのあるメンバーに「映り込みとか気にならないんですか?」と聞いてみたところ、「(スマホに慣れ親しんでいる)Z世代はあまり気にしない人が多い」ようで、「むしろ、映り込みを使って身だしなみをチェックする人もいます」とのことで、「絶対にノングレア(非光沢)がいい」と思っている筆者はカルチャーショックを受けた
カメラ Webカメラは顔認証にも対応している。なお、プライバシーシャッターは備えていない
ショートカット 「Z世代が使うノートPC」ということで、F10〜F12キーに割り当てられている機能キーが従来のNECPCのノートPCとは異なる。なお、これらのキーを押して起動するアプリ(機能)は、ユーティリティーアプリから変更可能だ
余談 余談だが、F4キーには最近のNECPCのノートPCと同じく「マイクミュート」が割り当てられているのだが、「Z世代の中には、ダイナミック(ハンドヘルド)マイクのアイコンだと分からない人がそれなりに多い」(担当者)ということで、スマホアプリでもよく使われているコンデンサーマイク風のアイコンに変更されている
LAVIE AI Plus プリインストールされているLAVIE AI Plusは、生成AIを活用したサポートボットで、PCの使い方について会話形式で質問を投げると回答をしてくれる。ただし、回答にはクラウド(Webサーバ)に保管されているデータを用いるため、利用時にはインターネット接続が必要となる

 CPUは第13世代CoreプロセッサのUシリーズ(開発コード名:Alder Lake-U)で、量販店向けの下位モデルはCore i5-1335U、上位モデルはCore i7-1355Uを搭載している。直販限定のカスタマイズ(CTO)モデルでは、さらに手頃なCore i3-1315Uを搭載する構成も選択可能だ(※1)。

 メインメモリはLPDDR5X規格で、量販店モデルは16GBを備える。CTOモデルではより少ない8GB(※2)、あるいはより多い32GB(※3)も選べる。購入後にメモリの増設/換装はできないので、容量選びには気を付けたい。

(※1)CPUをCore i3-1315Uとした場合、ボディカラーはムーンブラックのみ
(※2)CPUをCore i7-1355Uとした場合は選択不可
(※3)CPUをCore i7-1355Uとした場合に限り選択可能

 ストレージはPCI Express接続のSSDで、量販店向けの下位モデルは256GB、上位モデルは512GBを備える。CTOモデルでは1TBや2TBのモジュールも選択可能だ。OSはWindows 11 Homeをプリインストールするが、CTOモデルではWindows 11 Proのプリインストールも選べる。

 量販店モデルには、Microsoft 365 Basicの1年間利用権とOffice Home & Business 2024のライセンスが付属する。CTOモデルでは、オプションとしてこれらを付属しない構成も用意される。

 ポート類は、左側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子とイヤフォン/マイク端子を、右側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子×2を備えている。USB 3.2 Gen 2 Type-C端子は全てUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。ワイヤレス通信は、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)とBluetooth 5.4に対応している。

左側面 左側面のポート類
右側面 右側面のポート類
底面 先述の通り、シリアル番号はNECPCとしては初めて底面カバーに“直接”印字されている。これはデザインはもちろん、環境への配慮でもあるのだという。この取り組みをNECPCの他のノートPCにも広げるかどうかは「今後の検討課題の1つ」だという(今のところはLAVIE SOL限定となる)

 本製品は「2D4Yバッテリー」を搭載している。どういうことかというと、バッテリー管理にAI技術を取り入れることで、「2日間(2D)充電せずとも使える」「4年間(4Y)はバッテリーモジュールを交換しなくても済む」電源モードを実装したのだという。これはNontitle PROJECT LAVIEを進める上で、NECPCが大学生に行った調査の結果を踏まえているそうだ。

 なお、業界標準の「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)」に基づく公称のバッテリー駆動時間は、アイドル時が最長23.2時間、動画再生時が最長10.8時間となる。重量は約1197gだ。

バッテリー 大学生がノートPCを充電する頻度は、思った以上に少なかったという。そこで大容量バッテリーを搭載した上で、「ロングバッテリーモード」にAIによるスケジューリング機能を追加することで「2日間充電せずとも使える」を実現した。このことは、バッテリーのサイクルカウント増加(≒充放電の繰り返しによる劣化の速度アップ)の抑制に貢献するという
充電制御 充電制御にAIによる利用予測をすることで、「80%充電」と「100%」充電を巧みに切り替えることで必要以上に満充電状態にしないようにし、「4年間のバッテリー交換不要」を実現した
ACアダプター 余談だが、本製品には65W出力のACアダプターが付属している。ただし、持ち運びやすさを重視する観点で、他モデルとは異なり小型のウォールマウント式アダプターとしている

渋谷と梅田で実機展示イベントも開催

 LAVIE SOLの発売に合わせて、NECPCはZeroBase 渋谷(東京都渋谷区)と阪急ビックマン前広場(大阪市北区)において実機を見て触れるポップアップイベントを開催する。開催期間は以下の通りで、ZeroBase 渋谷では天板ケースの展示も行われる。

  • ZeroBase 渋谷:11月21日〜24日(各日11時〜19時)
  • 阪急ビックマン前広場:12月7日〜8日(各日11時〜19時)

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