AMD B860は、X870の下位にあたるRyzen 9000シリーズ向けのメインストリーム向けチップセットだ。チップセットとしては先代のB650Eからの機能的な強化点がないが、ASRockのB850シリーズとしては、さまざまな新しい仕様が追加されている。
上位のモデルでは、無線LANの最新規格であるWi-Fi 7にも対応している。このWi-Fi 7対応無線LANについて、ASRockの原口氏は「検証していても、速さを実感する。ゲーム(VALORANTをよくやっているという)の遅延も有線とほとんど変わらない」とゲーマー視点からも高く評価しているようだ。
また、IntelのB860シリーズと同様、上位のモデルには105度の高温環境で2万時間の寿命を誇る1000μFの高耐久大容量コンデンサーを搭載している。
グラフィックスカードの大型ラッチ「Lite Release」、ツールレスでM.2 SSDを着脱できる「Toolless M.2 HeatSink+M.2 Latch」、SSDの熱を効果的に放熱する「M.2 サンドイッチヒートシンク」、CPUなしでUEFI(BIOS)を更新できる「BIOS FlashBack」といった機能も積極的に搭載されている。
また、上位モデルには独自に強化したUSB端子を備える。+12V系から供給することでクリアで安定した電流を実現する「Utra USB Power」に加えて、特定のUSB端子に独立したUSBコントローラーを実装することで、高速かつ低遅延の接続を実現する「Lightningゲーミングポート」を搭載するモデルもある。
このLightningゲーミングポートは、4000Hzや8000Hzといった高速ポーリングレートのゲーミングキーボードやゲーミングマウスを安定動作させられるために重要な機能だ。
国内展開されるASRockのAMD 850シリーズは、計6モデルのラインアップがある。品質重視のSteel LegendシリーズとローエンドのPro RSシリーズにそれぞれATXモデルとmicroATXモデルがあるが、配信者向けのLiveMixerシリーズはATXモデルのみ、ゲーミング向けのPhantom Gamingシリーズからは、Mini-ITXのB850I Lightningのみ投入される。
比較的手頃な価格と高い品質を両立することで人気の高いSteel LegendブランドのB850シリーズは、ATXモデルとmicroATXモデルを用意する。電源部は80AのDrMOSとASRock独自の20K/1000μのコンデンサーによる盤石の内容といえるだろう。ATXは14+1+1フェーズ、microATXは12+1+1フェーズの構成だ。
LightningゲーミングポートやUltra USB PowerUSBといった、独自に強化した端子を含め、USBは最大20基(microATXモデルは17ポート)を利用できる。M.2のツールレス構造やBIOS FlashBackなど使いやすい装備も備えている。ATXモデルではグラフィックスカードの取り外しを容易にする「LiteRelease」機能も装備する。
LiveMixerは配信者向けにUSB端子を多数利用可能なシリーズで、今回もB850チップセット搭載モデルが用意された。X870E/X870チップセットではLiveMixerモデルが存在しないが、その理由としては「X870E/X870の仕様上、USB端子を多数搭載しようとすると高価になりすぎてしまい、LiveMixerのコンセプトとズレる」(原口氏)ということで、B850チップセットを待っての登場となった。
こだわりのUSB端子は最大23基。その中には低遅延のLightningゲーミングポートや低ノイズのUltra USB PowerUSBといったASRockが独自に強化した端子も含む。また、B850 Steel Legend WiFiと同等の強力な電源部を備える他、Wi-Fi 7対応の無線LANにも対応した充実の内容となっている。
ASRockのB850シリーズでは唯一のMini-ITXモデルだ。Mini-ITXながら110Aと大容量のSPSを使用した10+1+1フェーズの電源部、PCIe 5.0x4を含む2基のM.2ソケット、独自の低遅延USB端子「Lightningゲーミングポート」を装備している。高性能で本格的な小型ゲーミングPCを作ることができる。
Intel B860チップセット搭載機に関しては、基板の裏側にコネクターを実現する裏配線モデルとして「BMD(Back Mount Design)シリーズ」および最初の製品「B860M Pro BMD」が開発中であることが明かされた。
最初の製品がローエンドのProシリーズのmicroATXモデルであることに関しては、原口氏から「手頃な価格に抑えるため」「BTO/ホワイトボックスメーカーからの引き合いもあり、その需要も意識している」といった理由が語られている。今後はAMDプラットフォームのモデルも含め、市場の反応や対応ケースの動向などを見ながら開発を進めていくという。
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