ASRockがIntel B860/AMD B850搭載マザボを発表! 裏配線モデルも予告 実機を見てきた(3/3 ページ)

» 2025年01月08日 18時48分 公開
[マルオマサトITmedia]
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AMD B850シリーズではWi-Fi 7対応や低遅延USB端子搭載のモデルも

 AMD B860は、X870の下位にあたるRyzen 9000シリーズ向けのメインストリーム向けチップセットだ。チップセットとしては先代のB650Eからの機能的な強化点がないが、ASRockのB850シリーズとしては、さまざまな新しい仕様が追加されている。

 上位のモデルでは、無線LANの最新規格であるWi-Fi 7にも対応している。このWi-Fi 7対応無線LANについて、ASRockの原口氏は「検証していても、速さを実感する。ゲーム(VALORANTをよくやっているという)の遅延も有線とほとんど変わらない」とゲーマー視点からも高く評価しているようだ。

 また、IntelのB860シリーズと同様、上位のモデルには105度の高温環境で2万時間の寿命を誇る1000μFの高耐久大容量コンデンサーを搭載している。

 グラフィックスカードの大型ラッチ「Lite Release」、ツールレスでM.2 SSDを着脱できる「Toolless M.2 HeatSink+M.2 Latch」、SSDの熱を効果的に放熱する「M.2 サンドイッチヒートシンク」、CPUなしでUEFI(BIOS)を更新できる「BIOS FlashBack」といった機能も積極的に搭載されている。

 また、上位モデルには独自に強化したUSB端子を備える。+12V系から供給することでクリアで安定した電流を実現する「Utra USB Power」に加えて、特定のUSB端子に独立したUSBコントローラーを実装することで、高速かつ低遅延の接続を実現する「Lightningゲーミングポート」を搭載するモデルもある。

 このLightningゲーミングポートは、4000Hzや8000Hzといった高速ポーリングレートのゲーミングキーボードやゲーミングマウスを安定動作させられるために重要な機能だ。

photo B850チップセットと前世代の比較。チップセット自体の機能に目新しいところはない
photo Steel LegendとLiveMixerのモデルは、無線LANの最新規格であるWi-Fi 7に対応する
photo 上位モデルでは「Utra USB Power」や「Lightningゲーミングポート」といったASRock独自に強化したUSB端子も備える

国内展開のB850シリーズは6モデル

 国内展開されるASRockのAMD 850シリーズは、計6モデルのラインアップがある。品質重視のSteel LegendシリーズとローエンドのPro RSシリーズにそれぞれATXモデルとmicroATXモデルがあるが、配信者向けのLiveMixerシリーズはATXモデルのみ、ゲーミング向けのPhantom Gamingシリーズからは、Mini-ITXのB850I Lightningのみ投入される。

photo 国内展開されるASRockのAMD B850シリーズのラインアップ

B850 Steel Legend WiFi/B850M Steel Legend WiFi

 比較的手頃な価格と高い品質を両立することで人気の高いSteel LegendブランドのB850シリーズは、ATXモデルとmicroATXモデルを用意する。電源部は80AのDrMOSとASRock独自の20K/1000μのコンデンサーによる盤石の内容といえるだろう。ATXは14+1+1フェーズ、microATXは12+1+1フェーズの構成だ。

 LightningゲーミングポートやUltra USB PowerUSBといった、独自に強化した端子を含め、USBは最大20基(microATXモデルは17ポート)を利用できる。M.2のツールレス構造やBIOS FlashBackなど使いやすい装備も備えている。ATXモデルではグラフィックスカードの取り外しを容易にする「LiteRelease」機能も装備する。

photo B850 Steel Legend WiFiの概要
photo B850 Steel Legend WiFiの展示機
photo B850 Steel Legend WiFiのインタフェース部分
photo B850M Steel Legend WiFiの概要
photo B850M Steel Legend WiFiの展示機
photo B850M Steel Legend WiFiのインタフェース部分

B850 LiveMixer WiFi

 LiveMixerは配信者向けにUSB端子を多数利用可能なシリーズで、今回もB850チップセット搭載モデルが用意された。X870E/X870チップセットではLiveMixerモデルが存在しないが、その理由としては「X870E/X870の仕様上、USB端子を多数搭載しようとすると高価になりすぎてしまい、LiveMixerのコンセプトとズレる」(原口氏)ということで、B850チップセットを待っての登場となった。

 こだわりのUSB端子は最大23基。その中には低遅延のLightningゲーミングポートや低ノイズのUltra USB PowerUSBといったASRockが独自に強化した端子も含む。また、B850 Steel Legend WiFiと同等の強力な電源部を備える他、Wi-Fi 7対応の無線LANにも対応した充実の内容となっている。

photo B850 LiveMixer WiFiの概要
photo B850 LiveMixer WiFiの展示機
photo B850 LiveMixer WiFiのインタフェース部分

B850I Lightning

 ASRockのB850シリーズでは唯一のMini-ITXモデルだ。Mini-ITXながら110Aと大容量のSPSを使用した10+1+1フェーズの電源部、PCIe 5.0x4を含む2基のM.2ソケット、独自の低遅延USB端子「Lightningゲーミングポート」を装備している。高性能で本格的な小型ゲーミングPCを作ることができる。

photo B850I Lightningの概要
photo B850I Lightningの展示機
photo B850I Lightningは裏面にもM.2ソケットがある
photo B850I Lightningのインタフェース部分

裏配線「BMDシリーズ」も開発中

 Intel B860チップセット搭載機に関しては、基板の裏側にコネクターを実現する裏配線モデルとして「BMD(Back Mount Design)シリーズ」および最初の製品「B860M Pro BMD」が開発中であることが明かされた。

 最初の製品がローエンドのProシリーズのmicroATXモデルであることに関しては、原口氏から「手頃な価格に抑えるため」「BTO/ホワイトボックスメーカーからの引き合いもあり、その需要も意識している」といった理由が語られている。今後はAMDプラットフォームのモデルも含め、市場の反応や対応ケースの動向などを見ながら開発を進めていくという。

photo 基板の裏側にコネクターを実現する裏配線モデルとして「BMD(Back Mount Design)シリーズ」および最初の製品「B860M Pro BMD」が開発中であることが明かされた
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