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モバイルに「L3キャッシュ爆盛り」とApple/Intel対抗の「GPU強化モデル」登場――AMDが新型「Ryzen」を一挙発表CES 2025(1/3 ページ)

» 2025年01月07日 04時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは1月6日(米国太平洋時間)、デスクトップ/ノートPC向けCPU「Ryzen」の新モデルを発表した。搭載製品は2025年第1〜第2四半期から順次発売される予定だ。

新CPU 「CES 2025」に合わせて、AMDが新型Ryzenを一挙に発表した

Ryzen 9000X3Dシリーズ(デスクトップ向け:追加ラインアップ)

 AMD独自の「3D V-Cacheテクノロジー」を適用することで、L3キャッシュを増量したデスクトップPC向けCPU「Ryzen 9000X3Dシリーズ」には、追加ラインアップが登場する。搭載PCとボックス版(CPU単品の市販品)は、2025年第1四半期に発売される予定だ。

 今回の新製品は、既存製品(Ryzen 7 9800X3D)の上位製品「Ryzen 9 9900X3D」「Ryzen 9 9950X3D」の2製品だ。CPUのコア数とキャッシュ容量以外のアーキテクチャ的な特徴は既存製品と変わりない。

 主な仕様は以下の通りだ。

  • Ryzen 9 9900X3D
    • CPUコア:12基24スレッド(4.4GHz〜5.5GHz)
    • CPUキャッシュ:合計140MB
    • TDP(熱設計電力):120W
  • Ryzen 9 9950X3D
    • CPUコア:16基32スレッド(4.3GHz〜5.7GHz)
    • CPUキャッシュ:合計144MB
    • TDP(熱設計電力):170W
Ryzen 9 9950X3D AMDはRyzen 9 9950X3Dを「ゲーマーとクリエイターにとって世界で最良のプロセッサ(CPU)」だとしている
パフォーマンス 先代に相当する「Ryzen 9 7950X3D」と比べると、ゲーム中の平均フレームレートが最大で約1.6倍になったという
競合 競合の「Core Ultra 9 285K」と比べると、フレームレートが平均で20%高くなったという
CPUアーキテクチャ CPUアーキテクチャの変更(Zen 4→Zen 5)もあり、ゲーム以外の処理パフォーマンスも平均で13%改善したという
CPUパフォーマンス Core Ultra 285Kと比べても、平均で10%高速だという
ラインアップ Ryzen 9000X3Dシリーズの追加ラインアップ

Ryzen 9050HXシリーズ(エンスージアストノートPC向け)

 「Ryzen 9050HXシリーズ」(開発コード名:Fire Range)は、エンスージアスト(求道者)向けノートPCやモバイルワークステーション向けのAPU(GPU統合型CPU)だ。最上位モデルの「Ryzen 9 9955HX3D」は、モバイル向けCPU/APUとしては初めて3D V-Cacheテクノロジーを適用した製品で、CPUキャッシュは合計で144MBを備える。搭載PCは2025年上期に発売される予定だ。

 ラインアップは以下の通りとなる。

  • Ryzen 9 9850HX
    • CPUコア:12基24スレッド(最大5.2GHz)
    • CPUキャッシュ:合計76MB
    • TDP(熱設計電力):54W
  • Ryzen 9 9955HX
    • CPUコア:16基32スレッド(最大5.4GHz)
    • CPUキャッシュ:合計80MB
    • TDP(熱設計電力):54W
  • Ryzen 9 9955HX3D
    • CPUコア:16基32スレッド(最大5.4GHz)
    • CPUキャッシュ:合計144MB(3D V-Cache適用)
    • TDP(熱設計電力):54W
Ryzen 9050HXシリーズ Ryzen 9050HXシリーズには、モバイル向け製品としては初めて3D V-Cacheを適用している
ラインアップ Ryzen 9050HXシリーズのラインアップ
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