BitLocker/デバイスの暗号化の暗号キーが消失した場合に使う「回復キー」だが、通常は暗号化を実施する際にバックアップを促される。バックアップの方法は以下のいずれかだ。
デバイスの暗号化を利用できるPCで本機能を利用する場合、通常はMicrosoftアカウント/Azure ADアカウントに暗号化キーが自動バックアップされている。そのため、以下のWebサイトにアクセスしてMicrosoftアカウント/Azure ADアカウントでログインすれば確認可能だ。
BitLockerで個別にストレージの暗号化を行った場合、あるいはデバイスの暗号化に対応するPCでローカルアカウントを利用している場合(後からMicrosoftアカウント/Azure ADアカウントとひも付けた場合を含む)で、回復キーをバックアップしたかどうか覚えていない場合は以下の手順で今すぐに回復キーを保管しよう。筆者としてはMicrosoftアカウント/Azure ADアカウントへの保存をお勧めしたい。
(※2)Microsoftアカウント/Azure ADアカウントに保存する場合は、状況によってログインを求められることがある。ファイルに保存する場合は、保存先は対象のドライブ“以外”のストレージを指定する
電源が入らなくなってしまった、筆者のThinkPad X13 Gen 3。当然、この状態でSSDの暗号化を解除することはできない。どうするかを検討した結果、今回は他のPCを使ってSSDの暗号化を解除した上で修理に臨むことにした。
ThinkPad X13 Gen 3で使っているSSDは、よくあるType2280(幅22mm×長さ80mm)のPCI Express 4.0(NVMe)接続のM.2 SSDだ。手持ちのデスクトップPCの空きM.2スロットに差し込むことも考えたが、ケースを開けたり閉めたりが面倒だったので、今回は手持ちのUSB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)接続のNVMe対応M.2 SSDケースを使うことにした。
今回はAOTECHのM.2 SSDケース「AOK-M2NVME-U31G2C」を使って暗号化を解除する。使っていたSSDはWestern Digitalの「WD Blue SN5000」の4TBモデルだSSDをケースに収め、手持ちのWindows PCにつなぐと「暗号化されていてアクセスできない」旨の通知が表示される。それをクリックすると、回復キーを入力するダイアログボックスが出る。そこに事前にバックアップした48桁のキーを入力すれば、ひとまずアクセスできるようになる。この通知を見逃してしまった場合は、エクスプローラーでマウントされたストレージをダブルクリックすればダイアログボックスを表示可能だ。
なお、Microsoftアカウント/Azure ADアカウントに回復キーをバックアップしている場合、複数の回復キーが存在するケースもある。ダイアログボックスに表示されている「キーID」を使えば、どの回復キーを使えばいいのかすぐに探せる。
ストレージの中身が認識されたら、暗号化の解除に入る。手順は以下の通りだ。
これで、修理を行う準備ができた。マザーボードの交換後、このSSDを戻してWindowsを起動し、再度暗号化すれば“元通り”だ。
なお、再度暗号化する際は、新しい回復キーが発行される。そのため、改めてバックアップを取る必要があるので注意しよう。
PCの電源が突然入らなくなった場合に備えて、BitLocker/デバイスの暗号化の回復キーはしっかり記録しておくことに超したことはない――改めてそう思った次第である。
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