BitLockerまたはデバイスの暗号化で暗号化されたストレージは、基本的にPCのTPM/Plutonプロセッサに保存された「暗号キー」を使って自動的に復号される。一方、何らかの理由で暗号キーを見つけられない(消失した)場合は「回復キー」を入力することで読み書きできるようになる。
繰り返しとなるが、暗号キーはTPM/Plutonプロセッサに保存される。TPM/Plutonプロセッサの交換を伴う修理を行うと、暗号キーは当然“からっぽ”なので、回復キーの入力を求められる。
ノートPCの場合、TPMはCPUに統合されているか独立チップとしてマザーボード上に実装されており、PlutonプロセッサはCPUに統合されている。CPUにしても独立TPMにしても、マザーボードに直付けされているため、マザーボードの交換はすべからくTPM/Plutonプロセッサの交換を意味する。
マザーボードの交換修理をする際に、以前使っていた暗号化ストレージ(SSD/HDD)をそのまま付けると起動時に「回復キー」を入力するように求められる。こうなることを回避すべく、メーカーは修理依頼を受け付ける際に「ストレージの暗号化を解除(停止)してから送付してください」と案内している。暗号化の解除手順は以下の通りだ。
暗号化の解除にかかる時間は、ストレージの種類や使用済み容量によって異なるが、SSDの場合は30分あれば終わる。
筆者が前回ThinkPad X13 Gen 3を修理に出した際は、Thunderbolt 4端子が不調なだけだったので、修理を行う前に問題なくSSDの暗号化を解除できた。
しかし今回はPCの電源が入らないため、“自力”ではSSDの暗号化を解除できない。そのため、取れる選択肢は以下のいずれかとなる。
この3択から対策を検討した際に、ふと思い出してしまった。「あれ、このThinkPadのSSDの回復キーってバックアップ取ってあったっけ、と……。
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