今回は試す機会がありませんでしたが、新作の純正ケース「フリップフォールドケース」が登場した点も注目です。このケースはスタンド機能を備えており、電子ペーパーの利点である「常時表示」を生かした卓上時計として使用可能です。
スクリーンセーバー、要するにロック画面のことですが、時計やカレンダーを表示できるのは非常に便利です。日常生活の中でのPalmaの活用シーンを広げてくれるでしょう。
バッテリーをやや使うものの、設定にて最短1分刻みで表示をリフレッシュさせることができます。電子ペーパーはリフレッシュタイミングでしか表示が切り替わりません。間隔を長くしてしまうとウソの時刻表示になってしまいますが、1分刻みであれば大きな誤差にはならないでしょう。電池を使うとは書きましたが、数日は余裕で持ちます。私はいつも「時刻+カレンダー」表示で使っています。
一方で非常に残念なのが、前モデルと比べてスクリーンセーバー機能に特段進化がない点です。表示のカスタマイズや、ウィジェットを自由に配置できるようになるなど、カスタマイズ性が高まれば、スマホにはない独自の魅力が増すはずです。英語表示ではなく日本語表示にする、表示サイズを変える、くらいは実現してほしいところです。
現在でも、ロック解除後のホーム画面ではウィジェットが使用可能です。OSがAndroidなので、同じ感覚で使えると思います。しかし、セキュリティ面を考えるとロック画面のままで使えるのが望ましいですね。
表示しっぱなしでもバッテリー持ちが良い、というのが電子ペーパーの大きな利点です。ぜひ、この強みを生かせるような進化を遂げてほしいですね。例えば、スマートホームにおける温度や各種状態の表示ができると、そうした情報表示端末としての価値も出てくることでしょう。
BOOX Palma2の今後の進化としては、電子ペーパーディスプレイのカラー化やペン入力対応、防水性能の追加などが考えられます。特に読書を楽しむ観点では、防水性能の向上には期待したいところです。お風呂でゆっくりと読書、は使いたい方も多いでしょう(ただし、お湯への防水は保証外が基本なので、自己責任にはなりそうですが)。
また、Palma2はスマホサイズということで、個人的にはきちんとスマホとして使えるようにしてほしい、と感じてしまいます。iPhoneを持ちつつ、Palma2も持ち歩く、というのはあまりメリットがありません。
わざわざPalma2を持ち歩くのであれば、7型の「Boox Page」や薄型で10型の「BOOX Go 10.3」を持ち歩きます。
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いざスマホとして成り立たせようとすると、SIMカード対応、NFC、GPS搭載など、さまざまな要素が必要になります。その分、重量は重く、価格も高くなると思いますが、スマホサイズを進化させるのであれば、メインスマホとして使える端末を目指していただきたいですね。
動画はBOOXシリーズが大きく苦手なジャンルなので妥協が必要ですが、もしかすると近い将来、技術の進歩である程度の品質で見られるようになるかもしれませんね。
総じて、BOOX Palma2は実用性の高い電子ペーパーデバイスです。他のBOOX製品と同じく、Google Playも普通に使えるので、アプリに困ることもないでしょう。
電子ペーパーならではの目への優しさやロングバッテリーは、読書や簡易的なWebブラウジングには最適です。
ただし、前モデルとの違いは少なく、指紋認証機能の必要性を感じない方にとっては買い換える必要性はないでしょう。前モデルをお持ちでなく、スマホサイズの電子ペーパー端末が欲しい方には、自信を持っておすすめできる一台です。
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