NVIDIAの基調講演は、PC USERの読者的には「GeForce RTX 50シリーズ」の発表が大きなトピックだったと思うが、併せて発表されたトヨタ自動車と共同開発する自動運転プラットフォームも、AI中心の物作りに向けた大きなメッセージといえる。
パナソニック ホールディングスは、総合的なデジタルファミリーウェルネスサービス「Umi」を発表したが、これは生活を心地よく演出する総合家電メーカーとして高品位なウェルネス機能、製品やサービスにAIを融合したものだ。本サービスの提供に当たって、同社はAIサービス「Claude」を提供しているAnthropicとの提携を発表している。
Delta Air Lines(デルタ航空)は、ヨーロッパを拠点とする航空機メーカーAirbusや、ライドシェアサービスを提供する米Uberなどとのパートナーシップを紹介し、航空業界を横断した新たなサービスの青写真を示した。
この新サービスにおいてサービス品質を向上するために重要になってくるのが、旅行者向けアプリやサービスを充実させた上で、前後の移動も含めたサービスを連結し、行動をデータ化して活用することにある。
自動運転と新モビリティ技術の研究/開発を手がけるWaymo は、現在限られた都市で提供している自動運転技術をもとに、自律走行によるライドシェアリング(厳密にはライドヘイリング)の展開を拡大しつつ、安全性を最優先に開発を進める同社のビジョンを披露した。
集まるデータを基にして、完全自動運転が安全な交通を近未来で実現するというシナリオを描いているようだ。
ここまで紹介してきた基調講演の内容は、いずれもデータドリブン型であり、集約したデータがサービスの価値や品質を大きく左右するという点で共通している。CES 2025の基調講演に登壇したAccentureのジュリー・スウィートCEOは「データとAIが、働き方にどのような変化をもたらすのか。そしてその結果、企業がどのように変化するかを注視すべきだ」と話る。
テクノロジー産業がAI中心になっていくことは、誰もが想定しているとは思う。しかし、その結果進んでいくデータドリブン社会において、企業と消費者、その間に存在する製品やサービスがどのようにあるべきなのかと、スウィートCEOは問う。
同社が毎年発表しているテクノロジーレポート「Tech Vision」でのテーマも、今年はAI社会を見据えた「相互信頼の構築」にフォーカスを当てているという。
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