ここまでに紹介したような作業フローは素晴らしいです。しかし、気になるのは、音声認識や要約の精度ではないでしょうか。
この精度レベルは、良い意味でも悪い意味でもなく、正直なところ「今ある技術」水準のものです。滑舌悪く話すとも認識できず、要約も実体はChatGPTなので、お使いの方はどのような精度なのかが分かるかと思います。
AINOTE Air2だから他製品に比べて大きな違いを感じるほど精度が高い、といったものではない点は留意しておいた方がよいでしょう。前述しましたが、目玉は「用意された作業フロー」です。
なお、リアルタイム文字起こしや翻訳機能はインターネット接続が必要です。会議中に、その場で内容を文字起こししながら使いたい場合は、ネット環境が必須となるので注意が必要です。
ただし、ネット環境がなくとも録音自体はでき、後で文字起こしや翻訳処理をかけることは可能です。これは、翻訳言語設定を誤っていて、あらためて翻訳したい時などにも活用できます。
取りあえず録音データを確保しておけば、後日、AIの精度が上がった際に再度文字起こしや翻訳をかけると、より精度の高い内容で出力できるかもしれませんね。
なお、ChatGPTの利用にログインは不要です。アカウントなしで利用できます。
ペン好きな私ですが、AINOTE Air2のペンは私の中ではトップクラスの完成度だと感じました。反応も良く、パームリジェクションも素晴らしいです。ペンの後ろ側には消しゴム機能が搭載されており、消した部位のみが消えるタイプです。
OSレベルでペンの種類を変えられる点もユニークだと感じました。よくあるのはアプリごとにペン設定を変えられるものですが、AINOTE Air 2は端末としてペン設定を変更することができます。
また、メモ上で特定の記号を書くことで、タスクやスター付きリストに自動的に振り分けられるのも面白いです。タッチキーボード入力を使わず、ペンでいろいろな操作をして欲しい、という思いを感じます。
メールの送受信など、他にも多少の機能が備わっています。しかし、電子ペーパーでわざわざメールを使う必要があるかというと疑問が残ります。
Kindleアプリの利用や、PDFを取り込んで表示することもできます。このあたりは電子ペーパー端末の強みとなる点でしょう。
PCとUSBケーブルで接続すれば、外部ストレージとして認識するので、ファイルのやりとりも容易です。ペンが素晴らしいので、AINOTE Air2にPDFを取り込んで書き込みたくなります。
いろいろできるわけですが、私はそもそも「何でも1台で使う」端末ではないと感じています。あくまで「デジタルノート」として使うべきデバイスだと感じます。
スマホサイズの電子ペーパーデバイス「BOOX Palma2」は、高い完成度で安定、しかし目新しさはあまりなし
ついにカラー対応したFCCLの電子ペーパー端末「QUADERNO A4(Gen.3C)」を試す PCからのPDF印刷転送が便利すぎる
スイッチサイエンス、中国M5Stack製電子ペーパー開発キットを販売開始
ONYX、スマホサイズの小型筐体を採用した6.13型電子ペーパー端末
SKT、カラーE Inkディスプレイを採用した10.3型電子ペーパー端末 CPU処理能力を向上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.