先述の通り、両製品はCore Ultra 200Vプロセッサを搭載している。XP9は32GBメモリを統合する「Core Ultra 7 258V」を搭載し、Intelの認証プログラム「Evo Editionプラットフォーム」に準拠している。
一方、X94は16GBメモリを統合する「Core Ultra 5 226V」「Core Ultra 5 236V」と、32GBメモリを統合するCore Ultra 7 258Vおよび「Core Ultra 7 268V」を選択可能で、Evo Editionプラットフォームへの準拠はカスタマイズ(CTO)オプションの状況により変わる。Core Ultra 5 236VとCore Ultra 7 268Vを搭載する構成は、企業向けのセキュリティ/管理システム「Intel vProプラットフォーム」にも対応する。
ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで、容量はXP9が512GB(直販モデルは1TB)、X9が標準で256GBとなる(CTOオプションで512GBまたは1TBを選択可能)。OSはX9がWindows 11 Home、X9がWindows 11 Proをプリインストールする。XP9では「Microsoft 365 Basic」(1年分)と「Microsoft Office Home & Business 2024」も付属する(直販モデルでは「なし」構成もあり。X9ではCTOオプションでOffice Home & Business 2024を付属可)。
ディスプレイは1920×1200ピクセルの14型TFT液晶(ノングレア)で、その上部には約500万画素の顔認証(赤外線撮影)対応Webカメラ(プライバシーシャッター付き)を備えている。XP9では電源ボタンに指紋センサーが搭載されている(X9ではCTOオプション)。
キーボードは「Copilotキー」付きで、キーストロークはXP9が1.5mm、X9が2mmとなっている。個人向け(XP9)と法人向け(X9)でストロークの設定が異なるのは、「法人向けの既存モデルではキーストロークを1.5mmと2mmから選べる構成を用意したところ、2mmストロークの方が好評だったため」(説明員)だという。
キーボードはXP9とX9で一見すると同じものを搭載しているように見えるが、法人向けのX9はキーストロークが0.5mm“深く”なっている。法人ユーザーは、深く打てるキーボードを好むようだ(写真はX9のキーボード)ポート類は、左側面にThunderbolt 4(USB4)端子、HDMI出力端子、USB 3.2 Gen 1(USB 5Gbps) Standard-A端子、イヤフォン/マイク端子とmicroSDメモリーカードスロットを、右側面にUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子、Thunderbolt 4端子と有線LAN(1000BASE-T)端子を備える。USB4端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
ワイヤレス通信はWi-Fi 7(IEEE 802.11be)とBluetooth 5.4に対応する。モバイル通信対応構成は用意されない。本体重量は1kg未満を目指している(現時点で確定していない)。
今回の新製品では、プリインストールされる独自アプリでもAIを搭載/活用している。いずれもローカル処理(ネット接続不要)であることが特徴で、Core Ultra 200Vプロセッサに搭載されたNPUを活用しているという。
「dynabook AIアシスタント」は、PCを使って行う作業をAIの力で支援するアプリで、動作中は完全にローカルで利用できる。通常のプロンプト形式での対話の他、文章の翻訳/要約、個性のある「バーチャルキャラクター」との会話、使っているPCやWindowsに関する質問を受け付ける「PCヘルプチャットルーム」を利用できる。
「AIパワーオプティマイズ」では、ローカルAIがシステムの挙動を検知し、「オンライン(Web)会議中である」と判断すると自動的にバッテリーセーブ機能を有効化する。「オンライン会議でバッテリーを節約したい」というユーザーの声が多かったことから開発したとのことだ。
これは「アプリ(ZoomやMicrosoft Teamsなど)が起動中」という単純な判断ではなく、システムリソースの“使われ方”を総合的に見て判断しているという。
「AIプライバシーアシスト」は、Webカメラを活用してローカルAIが他者の“のぞき見”を警告してくれる機能だ。この機能のポイントは、不用意に作業を遮ることを防ぐ観点でのぞき見を検知してもすぐに画面を隠さないにある。画面を隠したい場合は、ホットキーを押してプライバシースクリーンを立ち上げる仕組みだ。
「AIハンドコントロール」もWebカメラとローカルAIを活用した機能で、アプリの操作をハンドジェスチャーで行えるようにするものだ。事前に設定しておけば、アプリに合った操作を4つのハンドサインで行えるようになる。
Dynabookでは、Copilot+ PCのようなオンデバイスでAIを処理できるPCが「PCをより“パーソナル”にする」としており、今後もCopilot+ PCを含むAI PCを順次投入し、新しいAI機能を積極的に提案していきたいとしている。
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