今回は「Intel NUC 13 Extreme Kitに取り付けたGeForce RTX 3080 TiをGeForce RTX 5080に置き換えるとどう?」というコンセプトでテストを実施した。結論をいうと取り換えるメリットは大きい。特にゲームをプレイするシーンでは、DLSSによる超解像込みで考えると今すぐにでも取り換えたくなる。マルチフレーム生成は、本当に偉大だ。
4:2:2フォーマットに対応した動画エンコーダー/デコーダーやFP4演算に対応したTensorコアなど、GeForce RTX 5080はゲーム以外の用途でも役立つパワーアップも行われている。「PCI Express 5.0対応なのにGeForce RTX 3080(Ti/SUPER)刺しているデスクトップPC」なら、恐らく感動しきりだろう。
ただ、不安要素もある。1つは消費電力だ。先に紹介した通り、GeForce RTX 5080の定格消費電力は360Wで、推奨電源容量は850Wとなっている。実は、今回レビューしたIntel NUC 13 Extreme Kitの電源容量は750Wで、推奨容量に対して100W足りない。ちょっと不安を覚えたので、3DMarkの「Time Spy Extreme」でシステム全体の消費電力を測ってみた所、以下の通りとなった。
消費電力だけ見ると、4080がピーク時の消費電力が一番「低い」。そして5080はピーク時の消費電力が一番「高い」。これはTime Spy Extremeでの計測値だが、負荷の大きいCyberpunk 2077の実行時は、一瞬だがシステム消費電力が630Wに達することもあった。少なくとも、Intel NUC 13 Extreme Kitで5080を使うのは“かなりギリギリ”だと思われる。
グラフィックスカードだけリプレースすることを検討する場合は、電源の容量(と、GPU補助電源の最大出力)を精査してからの方がよい。
日本では、GeForce RTX 5080を搭載するグラフィックスカードの想定価格が19万8800円からとなる。発売時で比較すると、GeForce RTX 3080 Tiと比べると2万3000円増、GeForce RTX 4080と比べると2万1000円減という絶妙なプライシング……なのだが、この価格通りに購入できるのはレアケースで、多くの製品は実売価格が20万円台前半となるものと思われる。
5080については、サードパーティー製品にも2スロット厚のグラフィックスカードがある。よりコンパクトなケースに組み込みやすいことは間違いないので、「Founders Editionなき日本」において2スロット厚のパワフルなGPUを探している人は、ぜひ注目してほしい。
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