NVIDIAが1月9日(米国太平洋時間)に発表した新型GPU「GeForce RTX 40 SUPERシリーズ」を搭載するグラフィックスカードの販売が、1月17日から順次始まっている。
その第3弾として「GeForce RTX 4080 SUPER」を搭載するグラフィックスカードが1月31日に発売される。日本における想定販売価格は16万2800円(税込み)からとなる。
今回、発売に先駆けて同社から自社設計のグラフィックスカード「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」(日本未発売)を借用できたので、その実力を検証していく。
一部おさらいになるが、GeForce RTX 4080 SUPERのスペックをチェックしていこう。
GeForce RTX 4080 SUPERは、2022年に発売された「GeForce RTX 4080」の後継モデルとなる。ゲーミングにおけるターゲット解像度は2160p(4K/3840×2160ピクセル)で、同解像度での3Dグラフィックス描画やリアルタイムレイトレーシング処理など、高品質なグラフィック性能を求めるユーザーに向けた製品だ。昨今ブームとなっている「生成AI」の処理の高速化にもピッタリとされている。
主なスペックは以下の通りだ。
GeForce RTX 4080と比べると、CUDAコアを始めとする各種コアの基数が増えた。稼働クロックはベースこそ同じだが、ブーストクロックが向上している。これに伴い、ピーク時の演算性能はシェーダーが52TFLOPS、RTコアは121TFLOPS、Tensorコア(推論処理)は836TOPSとなった。
先代のAmpereアーキテクチャを採用する「GeForce RTX 3080 Ti」と比べた場合は、フレーム生成なしでも平均フレームレートが1.4倍程度向上する他、超解像技術「DLSS 3」を活用する場面では最大2倍のパフォーマンスを実現できるとしている。それでいて、消費電力(TGP)は30Wほど少なくなっている。消費電力当たりのパフォーマンス(いわゆる「ワッパ」面でも優位に立っている。
テストを行う前に、GeForce RTX 4080 SUPER Founders Editionの外観をチェックしていこう。
パッケージ(箱)は、GeForce RTX 40シリーズのFounders Editionではおなじみとなっている「集中線」の入った立派なものだ。
カードの外観については、先にレビューした「GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition」と同様にブラック基調となっている。SUPERではないGeForce RTX 40シリーズのFounders Editionはブラックにシルバーの差し色が入っていたのと比べると、シックな装いだ。良い意味で“武骨”ともいえる。
GPUの補助電源ピンは「12VHPWR規格」となる。消費電力が最大320Wと大きめなので、旧来のGPU補助電源ピンへの変換アダプターは「8ピン×3」構成となる。
電源ユニットの推奨容量は750Wだが、少し古い電源ユニットでは8ピン出力のケーブルが足りなくなる恐れもあるので注意しよう。
映像出力は、GeForce RTX 40シリーズの標準構成と同様に「DisplayPort端子×3+HDMI端子×1」となっている。
カードの厚みは約3スロット分ある。パートナー企業を通して発売されるグラフィックスカードも、3スロット以上の厚みとなっているので、ミドルタワー以上のケースでないと収まらない可能性が高い。
次のページでは、本カードを使ってGeForce RTX 4080 SUPERの実力をチェックしていく。
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