今度のSUPERはどうだ? 17万円切りで4Kでも快適に使える「GeForce RTX 4080 SUPER」を試す(1/4 ページ)

» 2024年01月31日 23時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 NVIDIAが1月9日(米国太平洋時間)に発表した新型GPU「GeForce RTX 40 SUPERシリーズ」を搭載するグラフィックスカードの販売が、1月17日から順次始まっている。

 その第3弾として「GeForce RTX 4080 SUPER」を搭載するグラフィックスカードが1月31日に発売される。日本における想定販売価格は16万2800円(税込み)からとなる。

 今回、発売に先駆けて同社から自社設計のグラフィックスカード「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」(日本未発売)を借用できたので、その実力を検証していく。

GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition

GeForce RTX 4080 SUPERのスペック

 一部おさらいになるが、GeForce RTX 4080 SUPERのスペックをチェックしていこう。

 GeForce RTX 4080 SUPERは、2022年に発売された「GeForce RTX 4080」の後継モデルとなる。ゲーミングにおけるターゲット解像度は2160p(4K/3840×2160ピクセル)で、同解像度での3Dグラフィックス描画やリアルタイムレイトレーシング処理など、高品質なグラフィック性能を求めるユーザーに向けた製品だ。昨今ブームとなっている「生成AI」の処理の高速化にもピッタリとされている。

 主なスペックは以下の通りだ。

  • GPUコア:Ada Lovelaceアーキテクチャ
  • SM(Streaming Multiprocessor):80基
  • CUDAコア:1万240基
  • Tensorコア(第4世代):320基
  • RTコア(第3世代):80基
  • L2キャッシュ:64MB
  • グラフィックスメモリ:16GB(GDDR6X/256bit)
  • メモリ帯域幅:毎秒736GB
  • 稼働クロック:2205MHz(基本)〜2550MHz(ブースト)
  • 動画エンコーダー(NVENC):第8世代×2
  • 接続インタフェース:PCI Express 5.0 x16
  • 消費電力:最大320W(平均246W、推奨電源容量は750W)

 GeForce RTX 4080と比べると、CUDAコアを始めとする各種コアの基数が増えた。稼働クロックはベースこそ同じだが、ブーストクロックが向上している。これに伴い、ピーク時の演算性能はシェーダーが52TFLOPS、RTコアは121TFLOPS、Tensorコア(推論処理)は836TOPSとなった。

 先代のAmpereアーキテクチャを採用する「GeForce RTX 3080 Ti」と比べた場合は、フレーム生成なしでも平均フレームレートが1.4倍程度向上する他、超解像技術「DLSS 3」を活用する場面では最大2倍のパフォーマンスを実現できるとしている。それでいて、消費電力(TGP)は30Wほど少なくなっている。消費電力当たりのパフォーマンス(いわゆる「ワッパ」面でも優位に立っている。

比較 アーキテクチャ的に1世代前のGeForce RTX 3080 Tiや、2世代前(Turingアーキテクチャ)の「GeForce RTX 2080 SUPER」とのスペックを比較した図。GeForce RTX 2080 SUPERと比べるとピーク時の消費電力は70W増えているが、GeForce RTX 3080 Tiと比較すると30W少なくなっている
ベンチマークテスト NVIDIAが実施したテストでは、GeForce RTX 3080 Ti比で平均フレームレートが大きく伸びている。特にフレーム補間に対応するゲームでの伸び幅は大きい
生成AI AIを活用する処理の高速化も特徴で、GeForce RTX 3080 Ti比で画像生成は平均1.7倍、動画生成は平均1.5倍早くなるという

レビューするグラフィックスカードをチェック!

 テストを行う前に、GeForce RTX 4080 SUPER Founders Editionの外観をチェックしていこう。

 パッケージ(箱)は、GeForce RTX 40シリーズのFounders Editionではおなじみとなっている「集中線」の入った立派なものだ。

 カードの外観については、先にレビューした「GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition」と同様にブラック基調となっている。SUPERではないGeForce RTX 40シリーズのFounders Editionはブラックにシルバーの差し色が入っていたのと比べると、シックな装いだ。良い意味で“武骨”ともいえる。

パッケージ パッケージは、先にレビューしたGeForce RTX 4070 SUPER Founders Editionと同じような雰囲気となっている
何もしなくても映える パッケージを開けると、集中線に囲まれたカード本体が姿を見せる

 GPUの補助電源ピンは「12VHPWR規格」となる。消費電力が最大320Wと大きめなので、旧来のGPU補助電源ピンへの変換アダプターは「8ピン×3」構成となる。

 電源ユニットの推奨容量は750Wだが、少し古い電源ユニットでは8ピン出力のケーブルが足りなくなる恐れもあるので注意しよう。

12VHPWR GPU補助電源ピンは12VHPWR規格となる。比較的新しい電源ユニットは本規格の電源ケーブルを備えるようになってきた
変換アダプター 旧規格のGPU補助電源ピンへの変換アダプターは「8ピン×3」構成となっている

 映像出力は、GeForce RTX 40シリーズの標準構成と同様に「DisplayPort端子×3+HDMI端子×1」となっている。

 カードの厚みは約3スロット分ある。パートナー企業を通して発売されるグラフィックスカードも、3スロット以上の厚みとなっているので、ミドルタワー以上のケースでないと収まらない可能性が高い。

バックパネル 映像出力はDisplayPort端子×3+HDMI端子×1という構成だ。カードの厚みはちょうど3スロット分だが、横方向はブラケットから少しはみ出ているので、ケースによってはうまく収まらない可能性もある
ファン 冷却ファンは、カードの表面と裏面に1基ずつ搭載している。パートナー企業からは表面に3連ファンを備えるカードが登場する
横 側面の「GEFORCE RTX」ロゴは光るようになっている
奥 奥側にはグラフィックスカードを支えるステーを取り付けるためのネジ穴が用意されている。通常、ネジ穴は写真のようにふたで隠されている
大きさ比較 先日レビューしたGeForce RTX 4070 SUPER Founders Editionと比べてみると、親子のようにサイズが違う
厚みも違う ご覧の通り、厚みも結構違う

 次のページでは、本カードを使ってGeForce RTX 4080 SUPERの実力をチェックしていく。

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