最近のGPUに求められるのはゲームの性能だけではない。クリエイター向けのアプリケーションを快適に動作させるのにも、高性能なGPUは求められている。簡単ではあるが、クリエイター向けアプリケーションでのパフォーマンスのチェック幾つか行ってみよう。
まず、2D/3Dアニメーション製作ツール「Blender」をベースとしたベンチマークテストアプリ「Blender Benchmark」のWindows版を用いて、パフォーマンスの比較を行った。今回は「Monster」「Junkshop」「Classroom」の3つのシナリオにおいて、1分間当たりの生成サンプル(オブジェクト)数を計測した。結果は以下の通りだ。
4080 SUPERはクリエイター向けアプリケーションでも圧倒的な性能を発揮する。差を見てみると「4070 SUPERと4070 Ti SUPER」よりも「4070 Ti SUPERと4080 SUPER」の方が大きい。
3Dモデリングは仕事はもちろんのこと、個人でも3Dプリンタで印刷するデータの作成に使う機会も増えている。より精密に、より高速にモデリングを行いたい場合は、GeForce RTX 4080 SUPERは魅力的といえる。
続けて「Adobe Premierer Pro」を使って、4K動画のエンコードに要する時間を比較してみよう。今回は「GoPro HERO 10」で撮影した数本の4K動画を30分ほどにまとめて書き出すのに要した時間をまとめた。結果は以下の通りだ。
今回テストしているGPUは同一のエンコーダー(NVENC)を搭載しており、4080 SUPER/4070 Ti SUPERには2基搭載されている。4080 SUPERの方が4070 Ti SUPERよりも若干速いのは、グラフィックスメモリの帯域の差(10%)がきちんと出た結果だと思われる。
GeForce RTX 40 SUPERシリーズの中で最後発となったGeForce RTX 4080 SUPERだが、最後を飾るには相応しいだけの高性能なGPUであることには間違いない。特に4K解像度でのゲームプレイ時の性能は高く、超解像技術のDLSSを使わずとも十分なフレームレートで遊ぶことができるパワーは魅力的だ。
消費電力はOS起動後のアイドル時で85W、3DMarkのTime Spyを実行した際のピーク時で503Wだった。4070 SUPERと比べるとピーク時で130Wほど高い電力になるが、性能の差を考慮に入れると許容範囲といえる。
ハイエンド志向でPCを選ぶ際には多数のパーツの中から主役としてGeForce RTX 4080 SUPERを選び、他のパーツで予算内に収まるようバランスを取っていくのがいいだろう。
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