「GeForce RTX 4070 SUPER」は実売9.6万円程度から買える“ちょうどいいGPU”だった ゲーマーやクリエイターにこそお勧め先行レビュー(1/3 ページ)

» 2024年01月16日 23時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 NVIDIAが1月9日(米国太平洋時間)に発表した新型GPU「GeForce RTX 40 SUPERシリーズ」を搭載するグラフィックスカードの販売が、1月17日から順次始まる。

 その第1弾として登場する「GeForce RTX 4070 SUPER」は、その名の通り「GeForce RTX 4070」の後継モデルという位置付けだ。搭載するグラフィックスカードの日本における想定販売価格は9万54800円からとなる。

 今回、同社から自社設計のグラフィックスカード「GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition」(日本未発売)を借用できたので、その実力を検証していく。

【訂正:1月23日16時40分】初出時、GeForce RTX 4070 SUPER搭載のグラフィックスカードを「8万6000円から」としていましたが、NVIDIAから価格の訂正について連絡があったため、タイトルと本文の一部を訂正いたします

GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition

GeForce RTX 4070 SUPERのスペック

 一部おさらいとはなるが、GeForce RTX 4070 SUPERのスペックをチェックしていこう。

 先述の通り、本GPUはGeForce RTX 4070の後継となるGPUで、1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)〜2160p(WQHD/2560×1440ピクセル)の解像度でのゲーミングを想定して開発された。本グラフィックスカードに搭載されているチップ(=定格仕様)における主なスペックは以下の通りだ。

  • GPUコア:Ada Lovelaceアーキテクチャ
  • SM(Streaming Multiprocessor):56基
  • CUDAコア:7158基
  • Tensorコア(第4世代):224基
  • RTコア(第3世代):56基
  • L2キャッシュ:48MB
  • グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6X/192bit)
  • メモリ帯域幅:毎秒504GB
  • 稼働クロック:1980MHz(基本)〜2475MHz(ブースト)
  • 動画エンコーダー(NVENC):第8世代×1
  • 接続インタフェース:PCI Express 5.0 x16
  • 消費電力:最大220W(平均200W、推奨電源容量は650W)

 GeForce RTX 4070と比べると、各種コアがおよそ1.2倍に増えている。これに伴いピーク時の演算性能はシェーダーが36TFLOPS、RTコアが82TFLOPS、Tensorコアが568FLOPSまで向上している。先代の「GeForce RTX 30シリーズ」(Ampereアーキテクチャ)において上から2番目のスペックとなる「GeForce RTX 3090」と比べても、ピーク時の性能は最大で1.5倍になるという。

 よりパワフルになったことに伴い、消費電力はGeForce RTX 4070(Founders Edition)の200Wから220Wに微増している。それでも、GeForce RTX 3090(Founders Edition)比で消費電力は最大で130W削減している。ある意味で「省エネ」なGPUである。

 グラフィックスメモリ回りや接続インタフェース回りの仕様は、GeForce RTX 4070と同様だ。

比較 1世代前(GeForce RTX 3070)と2世代前(GeForce RTX 2070)とのスペック比較。3070とはTGP(最大消費電力)は同じだが、シェーダーでは1.8倍、RT(リアルタイムレイトレーシング)では2.05倍の演算能力を備え、Tensorコアの処理回数(TOPS)に至っては約3.5倍となっている。見逃してしまいがちだが、L2キャッシュが11倍になっていることにも注目したい
すごいアップグレード 3世代のGPUで平均フレームレートを比較したグラフ。いずれも最高画質設定で、RTやフレーム補間を有効にできるタイトルでは有効化した状態だが、1世代前との差は思った以上に大きい
絶対性能 GeForce RTX 4070の平均フレームレートは、GeForce RTX 3090を上回るという。これは超解像技術「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を使わない状態だが……
DLSS DLSSを使うとさらに差が付く。それでいて、TGPは130W低くなるので「省エネ」ともいえる

 次のページでは、ベンチマークテストを通して実力をチェックしていく。

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