ここからは、GeForce RTX 4070 SUPERの実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
機材調達の都合で、今回は「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを実施した。グラフィックスドライバーはテスト版の「バージョン546.52(Game Ready)」を利用している。
比較用として、過去にほぼ同じ構成のPCでテストを行った「GeFroce RTX 4070」「GeForce RTX 4070 Ti」のテスト結果も掲載する(一部を除く)。参考値として捉えてもらえると幸いだ。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strike」「Fire Strike Ultra」と、DirectX 12ベースの「Night Raid」「Time Spy Extreme」、リアルタイムレイトレーシング(RT)の性能をチェックする「Port Royal」を実行した。総合スコアは以下の通りだ。
スペック的に、GeForce RTX 4070 SUPERは「GeForce RTX 4070以上、GeForce RTX 4070 Ti未満」という位置付けだ。少なくとも、3DMarkの結果はそのことを“忠実に”示している。
GeForce RTX 4070と比べた場合は、おおむね10〜20%の性能向上という計算となる。素直にコア数が増えた分だけ性能も向上したと言ってもいいだろう。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
スコアを評価文で表すと、全て「非常に快適」となった。FF14ベンチマークが今となっては“軽い”テストであることを考慮に入れたとしても、結構気持ちがいい光景だ。
3DMarkの結果と比べると、GeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070のスコア差は少なめだが、それでも約1割増しではある。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD/WQHD/4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
さすがに4K解像度だとスコアが落ち込んでしまうものの、フルHD/WQHD解像度では「非常に快適」評価を確保できている。
FF14ベンチマーク同様に、GeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070のスコア差は10%ほどである。GeForce RTX 4070 SUPERが優秀なGPUであることは間違いなさそうだ。
ここまでのテスト結果を見ると、GeForce RTX 4070 SUPERはコア数の増えた分だけ性能も着実に向上していることが分かる。うまく「GeForce RTX 4070以上、GeForce RTX 4070 Ti以下」に滑り込んだ、素性のよいGPUという印象を受ける。
4K解像度のテストでは、さすがに「GeForce RTX 4090」や「GeForce RTX 4080」のスコアにはかなわない面もある。ただ、だからといって描画に苦しい面があるかというと、それほどでもない――どんなゲームタイトルも不満なく遊べる、ちょうどいいGPUといえそうだ。
この印象は、より負荷のかかるゲームタイトルでも変わらないのだろうか……?
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