ここからはGeForce RTX 4080 SUPERの実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
従来と同じく、今回のテストは筆者の自作PCを使って行う。ただし、前回「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」をテストした際にCPUがボトルネックになっていると推測される結果となったテストがあったことを受けて、CPUを「Core i9-13900K」に換装した。
その上で、先日試したGeForce RTX 4070 SUPER(Founders Edition)とGeForce RTX 4070 Ti SUPER(Palit GeForce RTX 4070 Ti SUPER JetStream OC)でもテストを実施し直した。「CPUが変わるとある程度スコアも変わる」という参考になれば幸いだ。
なお、今回は全てのGPUでテスト版のグラフィックスドライバー「バージョン551.22(Games Ready)」を使っている。
まず、3Dレンダリングを通してCPU/GPUのパフォーマンスを確認できる「CINEBENCH 2024」を実行した。スコアは以下の通りだ。
GeForce RTX 4080 SUPERが一番優秀なのはさておき、GeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070 Ti SUPERの差が意外と開いていることが興味深い。これはGeForce RTX 4070 SUPERのみグラフィックスメモリのバス幅が192bitであることが関係しているものと思われる。
この結果をベースに、この先のテストの結果(スコア差)を見ていくと、それぞれの「得意」「不得意」が分かりやすいだろう。
3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックするベンチマークテスト「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を用意されている全ての解像度で試験しつつ、リアルタイムレイトレーシングをチェックする「Port Royal」のテストも実施した。
各テストの総合スコアは以下の通りだ。
やはり、3つのGPUの中ではGeForce RTX 4080 SUPERのスコアは圧倒的だ。特に4K解像度(3840×2160ピクセル)描画のテストと、リアルタイムレイトレーシングのテスト結果は注目に値する。
スペックの説明でも触れたように、GeForce RTX 4080 SUPERは各種コアが増加している。これが4K解像度での描画や、リアルタイムレイトレーシング処理のパフォーマンス向上につながった。
先行する4070 SUPERや4070 Ti SUPERが「フルHD(1920×1080ピクセル)やWQHD(2560×1440ピクセル)をメインで、超解像技術(DLSS)を使えば4Kも何とか」という感じだったことと比べると、ネイティブ4Kでもそこそこ快適なのが4080 SUPERの強みといえる。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
FF14ベンチマークの結果は、傾向的には3DMarkと近い。WQHD解像度までは、スコアの差があってもパッと見の動き(描画)に大きな差は感じられないが、4K解像度になった途端にスコアはもちろん動きにも差が付いた。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD/WQHD/4Kの3つで行っている。結果は以下の通りだ。
より処理が重たいFF15ベンチマークだが、フルHD解像度では3つのGPUに大きなスコア差はない。しかし、WQHD解像度以上では4080 SUPERと他のGPUとの間に一定のスコア差が生じる。ここに4080 SUPERの持つ“余裕”を感じられる。
GeForce RTX 4080 SUPERは確かに4Kでのゲーム体験を向上できるだけのパワーがあるといえるだろう。
より負荷の高いゲームのパフォーマンスもチェックしていこう。
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