GIGA 1.0によって、全ての小学校/中学校に「1人1台」の学習用端末が配備された……のだが、端末の利活用状況は学校(自治体)間で格差があるという指摘がある。
格差の原因は複合的だが、よく言われる原因として教職員目線では「PC(ICT機器)に対する知識量格差」「業務の多忙」「使いたいと思える教材の不足」「端末管理/運用の手間」「教職員用端末の未整備(または老朽化)」といった理由があるとされる。教職員が学習用端末を生かせないとなると、児童/生徒も学習用端末を使う機会が減ってしまう。
GIGA 1.0における取り組みを通して、レノボは学習用端末の利活用を進めるためのサービスやソリューションが必要だと改めて認識した。
当たり前かもしれないが、教職員が学習用端末を活用しなければ、児童/生徒が学習用端末を利活用する機会も減ってしまう。単に学習用端末を強化するだけでなく、付帯するサービスやソリューションも重要な鍵を握ることになるそこで本サービスでは、以下のサービス/ソリューションを無料で付帯する。その多くは端末の想定利用期間と同じ「5年間」提供だが、1年/3年提供のサービスについても、有償で延長できるようになっている(特記のないものはレノボが提供)。
盛りだくさんのサービスやソリューションをセットで提供することで、学習用端末を活用できる素地を整えた格好だ。
教職員の学習用端末の利活用を促すサービスやソリューションを無料で付帯することで、児童/生徒が学習用端末を利活用するチャンスを増やす戦略を取る。コンテンツ面では、児童/生徒の意欲を喚起するものをそろえたように思える先述の通り、本パッケージで提供されるLenovo 500e Chromebook Gen 4sとLenovo 300w Yoga Gen 4はスタイラスペンが原則として別売となっている。これはペンを巡る「問題」が起因となっている。
GIGA 1.0ではタッチペンがオプション要件で、導入するかどうかは学校(自治体)の判断だった。レノボによると、タッチペンを導入したある自治体では「タッチペンの故障/紛失」が多く発生していたという。その際に保護者に負担を求めるケースもあった。アクティブタイプのペンの場合、自らバッテリーまたは乾電池を搭載する必要があり、バッテリーの取り扱いや乾電池交換の手間も課題となる。
そこでLenovo 500e Chromebook Gen 4sとLenovo 300w Yoga Gen 4では本体に格納することで充電できるアクティブタイプのスタイラスペンの他、同じく「ハードペンシル」や2B以上の鉛筆も利用できるようにした。ハードペンシルのコストは1本当たり600円程度とスタイラスペン(想定価格5000円前後)よりも低コストかつ故障率も抑えられるので、故障/紛失をした際の費用負担大幅に抑えられる。鉛筆入力のサポートは、鉛筆とペンの持ち替える手間も省けるメリットがある。
ただし、ハードペンシルや鉛筆による入力は筆圧検知に対応しない他、アプリによっては想定通りの挙動をしないデメリットもあるため、「学校に選んでもらおう」という観点でペンをあえて別売としているのだ。
ペンシルタッチ対応の2モデルについてはペン自体をあえて別売としており、純正オプションとして本体のペンホルダーに格納できるハードペンシル(左)と充電式スタイラスペン(右)を用意している。本文でも触れた通り、ハードペン(と鉛筆)はスタイラスペンとは挙動が異なるため、コストや想定する利用シーンに応じて選べるようにしているというかなり“盛りだくさん”なLenovo GIGA School Editionは、教育現場でどのように受け入れられるのか。今後の動向に注目したい。
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