VAIO SX14-Rについて一通り説明したところで、簡単にベンチマークテストアプリでパフォーマンスをチェックしてみよう。なお、電源設定は全てAC電源の標準設定(バランス)のままとしている。
CPUを使った3Dレンダリング性能をチェックする「CINEBENCH R23」の結果は以下の通りだ。
Core Ultra 7 155Hを搭載するノートPCと比べてみると、シングルコアのスコアは確実に上位に入る。マルチコアスコアも、想定よりも高めだ。VAIO TruePerformanceの効果はしっかりと発揮できているといえるだろう。
総合ベンチマークアプリ「PCMark 10」の結果は以下の通りだ。
GPUがパワーアップしたこともあって、Digital Content Creationのスコアは結構高くなった。総合スコアも、同じCPUを搭載するノートPCと比べると高い方だ。これだけのスコアを記録するなら、普段使いで困ることもないだろう。
せっかくなので3Dグラフィックスをテストする「3DMark」も主要なテストを試してみた。総合スコア配下の通りだ。
Fire Strike ExtremeとPort Royal以外のテストについては、同一構成のGPUの平均値を超えている。CPUがしっかりと冷却できているがゆえに、パフォーマンスを発揮しやすかったということだろうか。
ノートPC向けのCPUに内蔵されたCPUでも、ある程度のスコアを記録できるようになったのは良い時代になったものだ。
VAIO SX14-RはモバイルノートPCだ。それだけにバッテリー駆動時間も気になるところだろう。CTOモデルではバッテリーが「標準容量」と「大容量」の2種類から選べる。軽量であることを優先する場合は標準容量を、バッテリー駆動時間を重視するなら大容量バッテリーモデルを選ぶといいだろう。
今回レビューしたのは。70Wh(定格値)の大容量バッテリーモデルだ。JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)に基づく公称値によると、動画再生時は最長約14〜16時間、アイドル時は最長約35〜38時間駆動するという。
画面輝度を100%とした上で、PCMark 10の「Modern Office battery life」テストで残量100%から3%(強制休止状態)になるまでの駆動時間を計測したところ18時間31分となった。
実はこのテスト前、レビュー機のバッテリー容量を調べておらず、「寝る3時間くらい前からテストすれば寝ている間にテストが終わるだろう」思ってテストをしたのだが、7時間ほど寝てからチェックするとまだ35%ほどバッテリーが残っていた。
PCでどんな作業をするのかにもよるが、大容量バッテリーモデルをWi-Fi通信で運用するなら、1泊2日の出張を充電なしで乗り越えられるかもしれない。
発表会の取材時からずっと思っていたことなのだが、VAIO SX14-Rはできが良い。最軽量構成なら約999gで、最重量構成でも約1178gと14型モバイルノートPCとしては軽量だ。しかも、天板と底面にカーボン素材を使うなど、丈夫さにも一定の配慮をしている。キーボードも打ちやすくタッチパッドも大きめで操作性も良好――語彙(ごい)力を失ったような言い方だが、本当に良かった。
今回、実機をレビューしてこの感想は確信に変わった。特に「USキーボードを搭載しているノートPCが欲しいけど、ビビッとくるものがない」と考えている人には、真っ先に検討すべき1台だ。もちろん、日本語キーボードの出来も良好だ。CTOモデルではかな表記の有無も選べる。CPUの性能もきちっと引き出せているので、作業も快適だろう。
VAIO SX14-Rは、一部の家電量販店で実機展示もある。キーボードの打ち心地は配列を問わず同じなので、気になったら展示店舗に出向いて試してみるのも良いだろう。
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