ナトリウムイオン電池には、以下のような4つの大きな特徴がある。
一般的なリチウムイオン電池は、くぎを刺すような衝撃を与えると発火する危険性があるが、ナトリウムイオン電池は同様の場合でも発火しにくいという。
コバルトのようなレアメタルを用いず、身近に広く存在するナトリウムを素材としているため、採掘による大きな環境汚染も発生せず、過剰な労働力も必要としない。
モバイルバッテリーやスマートフォンなどの端末に使われているリチウムイオンバッテリーでは、低温や高温の環境だと性能が低下してしまうという課題がある。しかし、ナトリウムイオン電池なら幅広い温度で利用できる。
「ウィンタースポーツでスマホを使えないという経験をした人もいるかもしれないが、スマホの電源さえ入れば、後はこのナトリウムイオンモバイルバッテリーから給電できるので、そのような環境でもお使いいただけるというメリットがある」(田邉氏)
同じモバイルバッテリーを使い続けると2年ほど(利用回数にもよるが)で「思ったより使えない」状態になってしまう。リチウムイオンバッテリーの多くは充電サイクルが500サイクルしかないからだ。しかし、ナトリウムイオン電池では、その約10倍にあたる5000サイクルの電池寿命がある。
「製品としてというより、電池単体で5000サイクルのバッテリー寿命があり、毎日充電しても約13年間はお使いいただける電池になっている。ただし、保証期間は他の製品と同じ、お買い上げから1年間となる」(田邉氏)
このように安全性が高いという特徴のあるナトリウムイオン電池だが、エレコムではこれまでモバイルバッテリーで培ってきた独自の安全性も製品に組み込んでいる。
「過充電、過放電、短絡保護、温度検知機能という安全設計に、サーマルプロテクションも搭載した」と田邉氏は言う。サーマルプロテクションでは、「24時間365日、1秒間に約300回温度を検知する。高温になると電気の流れをストップさせる」と解説した。
また、国内2拠点で確認と評価を実施し、品質の向上にも努めているとのことだ。
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