最後に、OSDメニューについて見ていこう。OSDメニューは従来モデルおよび他社同等品と同じデザインで、背面右にあるボタンを用いて操作する。本体側面ではなく一段後ろに隠れているため操作は手探りで行うことになるが、3つあるボタンの上が「戻る」、下が「決定」、その真ん中にあるのが項目の上下移動なので、目視しなくても役割を判別しやすい。このあたりの設計は優秀だ。
操作自体は、独立した「戻る」ボタンも用意されているため扱いやすく、輝度と音量についてはショートカットも用意されている。ちなみにフルスクリーンモードのオン/オフは、過去の製品ではOSDメニューから切り替えることもできたが、本製品では物理ボタンにのみ割り当てられ、OSDメニューからは行えなくなっている。この仕様の方が操作が煩雑にならず、分かりやすい印象だ。
以上ざっと使ってみたが、世代を重ねるごとに操作性は洗練され、使い勝手も向上しており完成度は高い。その一方、画面サイズが大きすぎて、フィットする用途がなかなか思い浮かばないというのもまた事実だ。
実質32型相当の大画面は、大きい画面を求める人にとっては確かに魅力的だが、一般的なディスプレイのようにアームによる高さの調整ができず、横置きだと角度調節もできないなど、設置にあたって小回りが利かない。ディスプレイアームも利用可能だが、メーカーではサポート対象外としており、利用には少々怖い面もある。このように、常設での利用は懸念点も多い。
一方で、展示会を始めとした一時利用には向いていそうだが、設置がやや不安定なため、目を離した隙に第三者が倒してしまわないかは少々心配になる。これらの諸問題が解決できれば、唯一無二の製品ということで、複数の使い道はありそうだ。個人的には、前回紹介した14型や15.6型と本製品の中間にあたるサイズがあってもよいように感じた。
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