5月20日(台湾時間)に開幕したCOMPUTEX TAIPEI 2025は、台湾の地元企業だけでなく、世界中からさまざまな企業が出展している。
世界有数のODM(※1)企業として知られるFoxconn(フォックスコン:鴻海精密工業)も台湾に本社を構える台湾企業だ。今回のCOMPUTEXにおいて、同社は「Foxconn Group(鴻海科技グループ)」としてブースを構えている。
……のだが、同社のブースは特定の場所が非常に混み合っている。そこには一体何があるのだろうか?
(※1)Original Design Manufacturing:製品の設計/開発や生産を請け負うこと
混み合っている場所に近づいてみると、その上部には「NVIDIA GB300 NVL32」というサイネージがある。そう、5月19日にNVIDIAが発表したAI向けブレードコンピュータ「NVIDIA GB300 NVL32」が展示されていたのだ。
Foxconn Groupのブースは、ホールへの出入口に一番近いため、来場客が多く見えるのは当然かもしれない。しかし、それにしても発表されたばかりとはいえ、“単なる”ブレードコンピュータのためだけにこれだけの人だかりができるとは、にわかには考えづらい。
というのも、GB300 NVL32は複数のパートナー企業を通して販売される。Foxconn Groupはその1つであり、GB300 NVL32を展示しているパートナー企業は他にもある。Foxconn GroupブースにあるGB300 NVL32は、“何か”が違うのだろうか……?
GB300 NVL32コーナーの横には、NVIDIAが提唱するAIファクトリーアーキテクチャ「Blackwell Ultra」の説明書きが置いてある。基調講演でNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが語っていたAI処理における「理由付け(Reasoning)」を圧倒的なコンピューティングパワーで行おうという発想が、Blackwell Ultraアーキテクチャの“肝”だ。
説明書きにはNVIDIAとFoxconnのロゴが刻まれて……と、良く見ると金色の手書き文字で「JENSEN WAS HERE!(ジェンスン見参!)」と書かれている。どうやら、ここにフアンCEOがやってきて、説明書きにサインしていったらしい。
これを見るためにやってきた人も、少なくないようだ。
しかしよく見てみると、説明書きの横にはもっと人だかりができている。取材日(台湾時間の5月21日)の来場者は、業界関係者と報道関係者のみ。先代の「NVIDIA GB200 NVL32」からのマイナーチェンジ箇所(完全水冷構造になったこと)をじっくり見ているのかな……と思いきや、どうも違う所を見ている。もちろん水冷機構をまじまじと見ている人もいるのだが、違う所を見ている人の方が多い。
何を見ているのか――目を凝らしてみると、何とコンピュートトレー(ブレード)を保護するケースに「SEXY MACHINE!(セクシーな機械だ!)」という言葉と共に、フアンCEOのサインが書かれている。透明なケースに書かれていたので、最初は気が付かなかった。
フアンCEOのサインは、ある意味でCOMPUTEX TAIPEIの“名物”となっている。主要なパートナー企業のブースを巡り、NVIDIAに関連する製品や説明にサインをするのだ。
今回紹介したFoxconn Group以外にも、主要なPC/サーバメーカーを巡ればフアンCEOのサインがあるかもしれない。現地を訪れている人は、フアンCEOのサインをぜひ探してみてほしい。
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