COMPUTEX TAIPEI 2025では、会場から離れた場所にプライベートな展示場を設けるPC/パーツメーカーも多数存在する。独創的なPCケースで知られるHYTE(ハイト)もその1社で、ホテルの一角を貸し切って展示を行っていた。
今回は、そこで展示されていたHYTEの新製品をレポートする。
プライベート展示場の“目玉”は、既存のPCケースの概念を打ち破る新型PCケース「HYTE X50」シリーズだ。独創的な外観と、PCケースとしての優れた機能性を兼ね備えていることが特徴だ。例えるなら「現代アート」のようなケース、というところだろうか。
X50の最も目を引くポイントは丸みを帯びたラウンド形状だ。ケースのどこにも角がなく、これまでの一般的なPCケースとは一線を画するデザインとなっている。
このラウンドパネルやラウンドガラスの製造は非常に困難であり、開発過程では数えきれないほどの失敗を重ねたという。しかし、その困難を乗り越え、この独創的な外観を手に入れた。
X50の前面には、大きなHYTEロゴを配置していない。これはケース自体のデザインがHYTE製品であることを示すというブランド戦略に基づいている。そのデザインは単なるPCパーツとしてではなく、PCケースを1つのアートとして捉えるユーザー、特に女性をターゲットとした取り組みとのことだ。
前面および右側面のパネルは、メッシュ構造となっている(一部構成は左側面のサイドパネルもメッシュ構造の金属パネル)。ケース全体で使用されるプラスチックパーツも、本体色にマッチしたカラーが採用されている。
ラウンド形状へのこだわりは、ケースの足にまで至っている。とにかく“ラウンド”することへのこだわりが強い。
X50は見た目の美しさだけでなく、PCケースとしての機能性も追求している。
特に注目すべきは、サイドパネルへの「アコースティックラミネートガラス」の採用だ。これにより、高いノイズキャンセリング効果が得られ、高性能なグラフィックスカードを搭載しても静音性を保つことができるという。ただし、先述の通り一部構成はサイドパネルもメッシュ構造となっている。
冷却性能にも抜かりはない。新しい「ルーバーブレードデザイン」は、大量のエアフローを生み出すために採用された。ルーバーブレードによって、ケースファンからの新鮮な空気がグラフィックスカードへと豊富に供給されるという。
電源ユニット(PSU)の設置箇所はケース上部となっており、熱がケース底部にこもるのを防ぐ設計となっている。
X50シリーズは、サイドパネルがガラスの「HYTE X50」と、メッシュ構造の金属パネルの「HYTE X50 Air」の2モデルが用意される。
X50は6色のバリエーションで展開される。定番の「ブラック」と「ホワイト」に加え、「ストロベリーミルク」「抹茶ミルク」「タロ」そして「チェリー」という、HYTEらしい個性的なカラーがそろっている。想定価格は150ドル(約2万1300円)だ。
X50 Airについては、ブラックとホワイトの2色展開となる。想定価格はX50よりも少し手頃な120ドル(約1万7000円)となる。
X50シリーズは2025年第3〜4四半期の発売を見込んでおり、担当者によると「おそらく9月頃になるだろう」とのことだ。
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