では実際に使ってみよう。本製品はボディーの左右側面にポートが分散しているが、PCなどとの接続に使うポートは全て左側面に配置されている。
2基あるUSB Type-Cポートは、どちらも電源供給は対応するものの、スマートフォンやタブレットへの接続に対応するのは上のポートのみとなっている。一方でこちらのポートはノートPCの接続時に電力が足りないケースがあるとのことで、取扱説明書ではノートPCは下のポートに接続するよう書かれている。
これらはポート脇にアイコンで表示されているため間違えることはないだろうが、最近のモバイルディスプレイは2ポートのどちらも同じ仕様というケースがほとんどなので、注意すべきポイントではある。接続にあたって何らかのトラブルが発生したら、もう一方のUSBポートを試す習慣をつけておけば、初めてのデバイスを接続する場合もうまく切り抜けられるだろう。
本製品は、2基のUSB Type-Cポートを用いてのパススルー給電にも対応している。試しに100WのUSB PD(Power Delivery)充電器を本製品に接続してみたところ、ノートPCの側からは60Wの電源が接続されていると認識された。ちなみに付属の充電器はUSB Standard-A仕様であるため、このパススルー給電には非対応なので要注意だ。
この他、本体右側面にあるUSB 2.0仕様のUSB Standard-Aポートは、マウスやキーボード、USBメモリなどを接続できる。供給可能なのは5V/0.5Aまでとのことで、ポータブルHDDのように消費電力が大きいデバイスの接続には向かない。基本はマウスとキーボードのみと考えてよいだろう。なお言うまでもないが、PCからこれらデバイスを認識させるには、HDMI接続ではなくUSBケーブルも接続する必要がある。
ところで、本製品は前回紹介したPixio「PX160 Wave」と同様、本体を縦向きにしての利用に事実上対応していない。背面のスタンドが縦向きの利用を想定していないことに加えて、本製品は左側面には接続用ポート、右側面にはOSDメニュー操作用のボタンがあり、どちらの面もデスクにつけた状態で立てるのは適切でないからだ。VESAマウントやネジ穴も搭載していない。
本製品をどうしても縦向きで利用したければ、ボディーをわしづかみするタイプの外付けのディスプレイアームを使うのが、唯一の策ということになる。室内利用ならば問題ないが、外出先に持ち歩く場合、縦向きで使うのは難しい。単体で縦置きに対応できる製品と比べた場合は、ややマイナスとなる部分だろう。
最後にOSDメニューをチェックしておこう。OSDメニュー操作用のボタンは、本体の右側面に並んでいる。電源ボタンを兼ねるメニューボタンの他、項目を選択するためのプラスとマイナスのボタンがあり、戻るボタンは搭載されていない。メニューボタンもしくはマイナスボタンの長押しが「戻る」扱いになり、上階層へと移動できるという珍しい仕組みで、慣れるまでは少々戸惑うだろう。
メニューは日本語へ切り替えられるが、「きど」「いろおんど」「しきちょう」など多くの項目が平仮名で書かれていて、一般的でない訳語も多い。国内で発売されて間がなく、いずれファームアップで修正されるだろうが、現時点では少々詰めが甘い印象を受けた。安価な製品とはいえ、このあたりは改善が望まれるところだ。
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