―― AIをどのようにビジネスチャンスとして生かそうと考えていますか。また、どのように活用していこうとしていますか。
ピーター・チャン この2年、我々は既存デバイスへのAIのインテグレートを進めてきました。Copilot+ PCの要件を満たすPCや、GeForce RTX 50シリーズのGPUを搭載するPCを投入すると共に、AIノイズキャンセリング機能、「StoryCube」や「MuseTree」などのオリジナルのソフトウェアも導入してきました。
さらに、この春はRyzen AI Max+ 395を搭載するPC(ROG Flow Z13 GZ302)をいち早く市場へ投入しました。(Ryzen AI Max+ 395の内蔵GPUが大容量のユニファイドメモリを利用できるため)大規模なパラメーターを備えたデータ容量のLLMを(インターネット上のサーバーではなく)PC単体で動作させることが可能になりました。これからハードウェアはさらにパワフルになり、より多くのことができるようになっていくでしょう。
―― Copilot+ PCに関して、ユーザーの傾向などがあれば教えてください。
ピーター・チャン Copilot+ PCに関しては、現時点では新しいテクノロジー、AIに強い関心があるアーリーアダプターの方が中心です。この10月にはWindows 10のサービス終了が控えており、PCのリプレースのタイミングで導入が進むことを期待しています。
―― Copilot+ PCの中で売上げが好調なモデルはありますか。
デビッド・チュー ずばり、Zenbook SORAです。こちらのモデルは日本市場向けに開発したモデルですが、とてもポジティブな反響をいただいています。ユーザーの50%以上は10代〜20代の学生や若い会社員の方という調査結果がありますが、薄型で軽量な素材(Ceraluminum=セラルミナム)、日本向けのアースカラーが好評です。小売店からも日本の市場にとても合っていると好評価をいただいており、次のモデルの開発にも着手しています。
―― 御社のみではなく、PC市場全体の需要見通しについてお聞きします。コロナ禍を経て、2025年はWindows 10のEOSが控えており需要が見込めますが、その先についてはどのようにお考えでしょうか。
ピーター・チャン PC市場については楽観視しています。コロナ禍が終われば需要がなくなるのではないかという見方もありましたが、今でもリモート会議が行われているように、コロナ禍で変化した働き方、生活スタイルがPCの普及を後押ししています。これからAIの活用も進み、データ収集や創作にパーソナルなPCを使いたいという方はますます増えてくると思います。
―― 今後さらに市場が伸びていく上で、どのようなものが重要になってくると考えていますか。
ピーター・チャン AIをPCで活用するというところは、まだ始まったばかりという状況で、今の段階では勉強や調査の仕方が変わったという程度かもしれませんが、2年後には、このインタビューの取材の仕方や、皆さんの要約の仕方なども全然変わってくるのではないでしょうか。
今後、そういったソリューションレイヤーをいかに使いやすい形で提供するかといったことが鍵になると考えています。既に一部はプラットフォームとして実装されていますが、まだまだユーザーフレンドリーな状況ではありません。そういった機能とソリューションを連携させ、融合させて提案/提供できるか、そこが鍵になってくると思います。
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