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10GbE対応ルーターやハブ、無料の管理ツールからOpenWrtベースのWi-Fi 7ルーターまで――「Interop 2025」で最新製品やテクノロジーを見てきた(2/2 ページ)

» 2025年06月20日 17時00分 公開
[石井徹ITmedia]
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TP-Link:“無料”で企業ネットワーク管理の常識を変える

 ティーピーリンクジャパン(TP-Link)のブースで強調されていたのは、法人向け製品における“管理無料”≪という特徴だ。

TP-Link TP-Linkブース

 TP-Linkの法人向け監視(ネットワーク)カメラは、遠隔管理が完全無料となっている。担当者は「例えばレストランチェーンで、大阪や札幌の店舗を東京本社から管理できます。それが無料です」と説明する。他社では月額ライセンス料が必要なのに対し、TP-Linkなら機器代金(と通信料金)だけで使えるということになる。

 カメラの価格も1万〜4万円と競合他社の約半額で、30〜40種類のラインアップから用途に応じて選べる。駐車場にはバレット型で威圧感を演出し、レストランにはドーム型で威圧感を避ける――そんな使い分けも可能だ。

監視カメラ 監視カメラだけで30〜40種と、豊富な種類を取りそろえる

 他の法人向けネットワーク機器も同様に、無料で管理可能だ。ルーター、スイッチ、アクセスポイントの統合管理が無料で行える。不具合箇所の特定はもちろん、再起動、トラフィックの監視、SSIDの作成まで追加料金なしでできるのは大きなメリットだ。管理にかかるデータは、AWS(Amazon Web Services)の日本国内リージョンで行っているという。

 価格競争力と無料管理システムという組み合わせは、特に中小企業にとって魅力的に映るだろう。

管理無料 法人向けのスイッチやアクセスポイントも、別途料金を必要とせずに管理機能を使える
家庭用スマートカメラ TP-Linkは家庭向けのスマートカメラでも高いシェアを誇る

NETGEAR:10Gbps時代の専門特化戦略

 ネットギアジャパン(NETGEAR)では、法人向けネットワークスイッチ/ルーターの製品展開を「IT向け」と「AV(オーディオ/映像)機器向け」で明確に分けていることが特徴だ。ブースの展示も、IT向けとオーディオ向けに分けていた。

IT NETGEARブースのIT向け機器コーナー
IT NETGEARブースのIT向け機器コーナー

 IT向け製品は10Gbpsイーサネット(10GbE)対応製品が中心で、10GbEルーターの他、40ポート対応10GbEハブやWi-Fi 7対応アクセスポイントなどを展示していた。Wi-Fi 7対応かつ10GbE対応のアクセスポイント「WBE750」は、想定価格が20万90円だという。

 IT向け製品コーナーでは、クラウド管理システム「Insight」も紹介していた。機器の状態確認や設定変更、ポート監視、トラフィック確認などをリモートで行える。利用料金は1年目が無料、2年目以降が1台あたり年間2500円となっている。

IT機器 Wi-Fi 7対応で10ギガビットイーサネット対応の「WBE750」は20万90円だ

 「10GbEの導入を検討する企業は、映像系が多いですね」と担当者は語る。確かに、4K/8K映像を扱うようになると、多くの企業で導入されている1000BASE-T(1Gbpsイーサネット)では速度が不足する。編集データをイーサネット上で行う場合、コマ落ちを防ぐためにも高速化は欠かせない。

 そういう意味でも、AV向け製品の展示は興味深いものが多かった。プロAV向けイーサネットスイッチ「SM4310」は、仮想LAN(VLAN)で設定した色分けが、ポートのLEDにも反映される機能を持つ。ソフトウェアで赤に設定すれば、物理ポートのLEDも赤く光る。ケーブルを「赤に挿して」「青に挿して」という指示が可能になるわけだ。

 さらに、このスイッチは非圧縮映像/音声伝送規格「SMPTE ST 2110」の伝送にも対応しており、放送局にも導入できる本格的な仕様だ。

 プロAV専用のWi-Fi 7アクセスポイントも用意されており、コントロールパネルの無線化需要に応えている。

AV向け プロAV向けイーサネットスイッチ「SM4310」の想定価格は121万5500円だ

Google:ChromeOSによる「exe実行禁止」の究極セキュリティー

 グーグル(Google)のブースでは、ChromeOSとChrome Enterpriseの展示が行われていた。中でもChromeOSのセキュリティ機能の説明は印象的だった。

Googleブース Googleブースではプレゼンテーションも頻繁に行っていた

 「ChromeOSにおけるランサムウェア被害はゼロです」と担当者は断言する。その理由はシンプルで、ChromeOSはWindowsの「exeファイル」を一切実行できないからだ。マルウェアもランサムウェアの多くはWindowsで稼働するPCを標的、基本的にexeファイルとして侵入する。それを根本から防げるのだ。

 Googleの公式発表でも、これまでChromeOSでのランサムウェア被害は報告されていない。ただし、ChromeOSにも脆弱(ぜいじゃく)性の報告はあり、ソフトウェア更新によるパッチも行われている。それでも、他のOSと比べて報告数が少ないのは、ChromeOSのアーキテクチャの効果と言えるだろう。

 ChromeOSはコスト面でも魅力がある。CPUは「Core i3」「Ryzen 3」以上、メモリ容量は8GBというスペックでも、Windowsと比べると快適に動作する。管理も楽で、トラブルが起きたら初期化してもらえばいい。Wi-Fiに接続して企業アカウントでログインすれば、IT管理者が設定したポリシーが自動適用される。「初期化して」で済むサポートは、IT管理者の手間を大幅に軽減する。

 文教市場向けというイメージが強いChromeOSだが、企業導入も着実に進んでいる。ロッテは約2600台を一気に導入し、日本郵便はリモートワーク端末として活用しているとのことだ。

Chromebook IT管理者の負担を軽減するというChromebook

 Chrome Enterpriseでは、Chromeブラウザの管理機能を提供している。無料プランである「Chrome Enterprise Core」でも300以上のポリシー設定やURLフィルタリングに対応する。有料プランの「Chrome Enterprise Premium」になると、DLP(データ損失防止)やカテゴリー別フィルタリングなども利用可能だ。

 さらに「Google Agentspace」という新しいソリューションも展示されていた。社内データの横断検索プラットフォームで、Slack/Microsoft Office/Microsoft SharePoint/Salesforceなどと連携可能。出典を必ず明示する仕組みになっており、IDベースのセキュリティで閲覧権限も考慮される。

Google Agentspace Google Agentspaceに関する展示もあった
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