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リプレースを迎える小中学校の「学習用端末」 PCメーカー各社が「Next GIGA」向けPCを展示EDIX 東京 2025(1/4 ページ)

» 2025年05月15日 12時00分 公開
[石井英男ITmedia]

 2019年から始まった「GIGAスクール構想」では、小学校以上の教育課程において学習用端末の“1人1台”配備が進められた。本来、学習用端末は数年をかけて配備される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、オンライン(遠隔)学習が進められることになったことから2021年度までに義務教育課程(小中学校など)への配備はおおむね完了した。

 学習用端末の想定使用(耐用)年数は5年に設定されており、早い学校(自治体)では2024年度からリプレースが進められているが、置き換えのピークは2025〜2026年度になるとされている。PCメーカー各社は、この大きな買い替え需要に狙いを定めて「Next GIGA(GIGA 2.0)」の仕様に準拠する学習用端末の投入と売り込みを進めている。

 4月23日〜25日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された教育関係の展示会「EDIX 東京 2025」でも、主要なPCメーカーやプラットフォーマーがブースを構え、教育関係者に自社の学習用端末やOS/プラットフォームの優位性をアピールしていた。

EDIX 東京 EDIX 東京 2025は、東京ビッグサイトの南展示棟と会議棟を使って開催された

約5年間の“蓄積”を踏まえた展示が多数

 筆者は毎年EDIXを取材しているが、2025年はPCメーカーの出展が目立っていた。先述の通り、GIGAスクール構想向けに投入した学習用端末の置き換えが本格化することを見越した取り組みだろう。

 構想が実行に移されてから約5年が経過し、PCメーカーにも学習用端末の運用に関するいろいろなノウハウが蓄積された。そのこともあってか、PCメーカーのブースは全体的にそれ生かした展示内容となっていた。

ASUSブース EDIX 東京 2025の展示は、東京ビッグサイト南展示棟の1階と4階の2フロアを使って行われた(写真は1階の様子)

ASUS JAPAN:学習用端末から教師用端末まで多彩な展示

 ASUS JAPANのブースでは、学習用端末としてChromebookが多数展示されていた。同社の学習用Chromebookは、手持ちの鉛筆をスタイラスペンとして代用できることが特徴で、筆圧検知はできないものの、鉛筆を持ち替えることなくずに紙のノートにも画面にも書き込めることを訴求する。

ASUSブース ASUS JAPANブースの様子

 導入コストを意識してか、今回展示したモデルはMediaTekのSoC「Kompanio 520」を搭載するものが多かった。このことは他社にも共通する傾向だ。

 また、同社は教職員向け端末も展示しており、Core Ultra 200Vプロセッサを搭載するビジネス向け「Copilot+ PC」を始め、液晶ディスプレイ一体型PC、ミニタワーPC、超小型(SFF)デスクトップPCなど、多彩なラインアップを取りそろえていることも強調していた。

IntelプラットフォームのChromebook ASUS Chromebook CR12 Flip(左)、ASUS BR1104F(中央)、ASUS BR1204F(右)は、いずれもIntelプラットフォームを採用するChromebookで、CPUはIntel N100/N150を搭載する。本体内に純正スタイラスペン「ASUS Pen」を収納するホルダーが用意されている
Kompatino 520のChromebook 導入コストを意識してか、ASUSはMediaTek Kompatino 520を搭載するChromebookを多く展開している。左上からASUS Chromebook CZ11 FlipASUS Chromebook CM30 Detachable、ASUS Chromebook CZ12 Flip、ASUS Chromebook CZ11 Flip、ASUS Chromebook CZ12 Flipで、いずれも本体にASUS Penホルダーを備えている
校務用 主に教師用(校務用)端末としての利用を想定して、ビジネス用WindowsノートPCも多数展示していた。左上からASUS ExpertBook P5、ASUS ExpertBook B9 OLED、ASUS ExpertBook B3 Flip、ASUS ExpertBook B1、ASUS ExpertBook B1、ASUS ExpertBook B3
デスクトップPC 校務/パソコン教室向けに液晶ディスプレイ一体型PC(ASUS ExpertCenter P400 AiO:左)やデスクトップPC(ASUS ExpertCentrer D7 Mini Tower/ASUS ExpertCentrer D5 SFF:右)も展示していた

Dynabook:小学校の教室を模したブースで「机への収まり」をアピール

 Dynabookは、以前から文教向けPCに力を入れている。今回は他社よりもコンパクトな10.1型Windowsタブレット「dynabook K70」と、同画面サイズの「Dynabook Chromebook C70」を中心に展示を展開していた。

Dynabookブース Dynabookブースの様子

 ブースの大部分は、小学校の教室を模していた。小学校で実際に使われている机や椅子を並べて、「コンパクトなdynabookの学習用端末なら、教科書やノートと一緒に机に置いてはみ出さず、落下の危険が少ない!」という旨をアピールしていた。

 同社や他のメーカーに話を聞くと、義務教育課程における学習用端末の故障で一番多い原因が「机からの落下」だという。Dynabookの学習用端末は本体やキーボードドッグの底面に滑り止め素材が貼られており、滑り落ちにくい。故障のリスクを軽減していることも、同社の学習用端末の強みということだ。

小学校を模した Dynabookブースの大部分は、小学校の教室を模した展示となっていた
机 小学校で使われている机(現行JIS規格)にdynabook K70(左)と、他社製の学習用端末を模したモック(右)を置いた様子。机上の黒い線は古い机(旧JIS規格)の天板サイズを示しており、Dynabookの学習用端末であれば旧JIS規格の机に教科書やノートを置いてもしっかりと収まることをアピールしていた
滑り止めのデモ 本体とキーボードドッグを置いて、机を傾けたデモ展示。机は結構傾いているのだが、キーボードドッグはもちろん本体も滑り落ちるそぶりを見せない
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