XR・メタバース総合展では、日本Xreal以外にもさまざまな企業/団体がブースを構えていた。ここからは、筆者が注目した展示を紹介したい。
XR・メタバース総合展には、韓国企業が集まる「韓国パビリオン」があった。その一角にブースを構えたXPERTは、バリアフリー字幕サービスソリューションスマートグラス「XPERT INMO 2」などを展示していた。
INMO 2があれば、映画や演劇などの音声をグラス内に字幕で表示できるようになるので、聴覚に障害がある人も健常者と一緒に楽しめる。
音声を翻訳した結果をテキスト表示する機能もあるので、外国旅行などでも重宝しそうだ。
XPERTは主にリアルタイム字幕システムやリアルタイム翻訳ソリューションを提供している。それをインストールしたスマートフォンが置いてあったのでずっと眺めていたら、韓国語話者のスタッフの説明が、リアルタイムに日本語化して表示されていた。同社は、映画館や舞台演劇などを行う劇場の他、観光地や博物館でのガイド代わりといった用途を同社では考えているという。
個人的には、「これがあれば、翻訳されたテキストを文字の小さいスマートフォンの画面で見なくて済むだろうなぁ」と考えながら話を聞いていた。
XPERT INMO 2は、大きな障害だけでなく、小さな障害すらないものにしてくれる、まさにバリアフリーなソリューションなのだ。
ノートPCでおなじみのDynabookのブースでは、dynabook(ノートPC)……ではなく、XRグラス「dynaEdge XR1」“のみ”を展示していた。
dynaEdge XR1は両目型の完全透過型(グラス部分が透明)のXRグラスだ。上半分に搭載したスリット型の光学モジュールに映像を投影することで、ユーザーが画像を認識できるようにしている。
実際にかけてみたところ、スリットとスリットの間のすき間を感じることはなく、クリアな映像が現実世界に重なって見える。
PCと接続すれば、最大で3つの仮想デスクトップ(画面)を表示できる。画面を持つノートPCと組み合わせて使う場合は、最大4画面の作業間物理的なサブディスプレイなしに実現可能だ。
本製品は、両グラスの間(ブリッジ)にカメラを搭載している。これを使えば、遠くにあってよく見えない文字などを拡大して表示したり、作業者目線の手元の様子をリモートで技術者に送ったりすることができる。
現在、dynaEdge XR1は法人向けにのみ販売しているので、個人が手にするのは難しい。しかし、個人的には作業しながら取扱説明書を見る必要がある場合や、出先でサブディスプレイを使いたい場合に便利そうだと感じた。手元にある何かを見るために老眼鏡を着脱する手間もなくなりそうだ。
本製品の受注は3月10日に始まり、出荷開始日は6月3日とつい最近である。スタッフによると、デザインの開発や光学モジュールの調整に最も時間を要したが、「日本人の頭の骨格に合わせて設計しているので、ぜひ試してもらいたい」という。
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