Zenbook SORAは天板が約13.4mm、ボディーの一番厚い部分が約15.9mmと、非常にコンパクトなボディーに仕上がっている。ディスプレイ部分も単に薄いだけではない。指先1つで簡単に持ち上げられるだけでなく、利用中もぐらつくことなく安定して利用できる。
Zenbook SORAは最軽量モデルながら、必要な各種ポートがしっかりと備わっている。左側面にはHDMI出力ポートと、データ転送/映像出力/USB PD(Power Delivery)に対応したUSB4(USB Type-C)ポート×2基、ヘッドフォン/ヘッドセットコンボジャックを搭載している。
右側面はUSB 3.2 Gen 2に対応したUSB Standard-Aポートが1基のみだ。有線LANポートは搭載されていないため、Wi-Fiではなく有線LANを利用したい場合は、別途USB接続の変換アダプターを用意しよう。
Zenbook SORAは今回手元に用意した廉価版モデルでもWindows Helloに対応したIRカメラが標準装備されているので、WindowsへのログインやMicrosoft アカウントに顔認証でログインできる。電源を入れて画面を注視するだけで、PCをすぐ利用できるのは非常に便利だ。
企業ユーザーであれば、Windows Hello for Businessを利用できるので、PC内にパスワードを保存せず、よりセキュアな社用PCとして利用できるのも魅力的だろう。
外観チェックはこれくらいにして、Zenbook SORAに搭載されたSnapdragon Xのパフォーマンスをチェックしていこう。Snapdragon X Plusとのベンチマークテストと比較して、詳しく掘り下げてみたので参考にしてほしい。
まずはクロスプラットフォームに対応し、Arm版Windowsにも対応したGeekbench 6でCPU性能とGPU性能を測定した。比較用として、Snapdragon X Plusを搭載した「Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9」で計測した結果を用意したので参考にしてほしい。なお、ベンチマークテストを実施したZenbook SORAとIdeaPad Slim 5x Gen 9のスペックは以下の通りだ。
Zenbook SORAに搭載されているCPUは、Snapdragon X X1-26-128(以下、X1)、IdeaPad Slim 5x Gen9に搭載されているCPUはSnapdragon X X1P-42-100(以下、X1P)がそれぞれ搭載されており、スペックは下記の通りだ。
こうして比較すると、X1はX1Pと比較して、マルチコア時最大クロック数が0.2GHz差、シングルコア時のブーストクロックが設定されていないだけにとどまっている。
その結果として、シングルコア性能においてはブーストクロックの有無で、約14%と比較的大きな差が開いているが、マルチコア性能については差が約9%と肉薄する結果となっている。GPUスコアにおいては約4%の差と、基本的にはGPU性能にほぼ差は無いとみて良いだろう。
自作PCのようにユーザー自身でCPUを交換できるのであれば、少しの差が開いていたとしても、より上位モデルを選びたくなるが、特にSnapdragon Xシリーズについては、各メーカーや各モデルによって採用されるSKUにバラツキがあるため、筆者はこの程度の差であれば、外観や重量、ディスプレイサイズ、画面解像度の違いで購入する機種を選定すると良いのではと考える。
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