日本HPの「HP ZBook Ultra G1a 14inch Mobile Workstation」は、CADやCG制作などのクリエイティブ用途に加えて、AI開発への活用も意識した14型のモバイルワークステーションだ。
AMDの「Ryzen AI Max PRO 300」シリーズ(開発コード名:Strix Halo)を搭載しているのが特徴で、最大16基のCPUコアと最大50TOPSのNPUコアに加えて、単体でミドルレンジGPU並の強力なGPUコア(Radeon 8060S Graphics)をワンチップに統合する。
従来のCPU+外部GPUのパフォーマンスを低消費電力かつ省スペースで実装でき、大容量のグラフィックスメモリを利用できるメリットもあるなど、特にグラフィックスメモリの要求容量が多いAI開発で使うモデルとして興味深い存在といえる。
今回はRyzen AI Max PROシリーズの中でも、最上位のRyzen AI Max+ 395と128GBメモリを搭載するハイスペック構成の評価機を入手したので、その実力を検証しよう。
日本HPの14型モバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G1a 14inch Mobile Workstation」は複数のモデルが用意されているが、今回レビューする評価機はAMDのRyzen AI Max+ 395と128GBメモリを搭載するハイエンド構成だ評価機のCPUは、Ryzen AI Max PRO 300シリーズの中でも最上位のRyzen AI Max+ PRO 395を採用する。CPU内蔵GPUのRadeon 8060S Graphicsは専用のグラフィックスメモリを持たず、メインメモリ(ユニファイドメモリ)をCPUとシェアして利用する。専用のグラフィックスメモリよりも性能面では不利な傾向にあるものの、大容量のメインメモリを搭載すれば、グラフィックスメモリも潤沢に確保可能だ。
本製品では128GBのメインメモリを備えていることから、最大96GBまでグラフィックスメモリとして割り当てられる。ノートPC向けの単体GPUとしては、現行最強のNVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPUでもグラフィックスメモリの容量は24GB、ミドルクラスでは8GB、多くても12GBなので、この点は単体GPUに対してのアドバンテージだ。
ボディーはシンプルな形状で、落ち着きのあるシルバーのカラーリングを採用する。微妙にしっとりとした感触がある表面処理により、品の良い外観に仕上がっている。
ボディーサイズは約312(幅)×215(奥行き)×9.2〜18.4(厚さ)mm、重量は約1.57kgだ。少し厚みはあるものの、A4ファイルサイズでコンパクトにまとまっており、普通のビジネスPCのようにも見える。
一方、付属のACアダプターは少し大柄で重量もある(実測重量はケーブル込みで530g)。Ryzen AI Max PRO 300シリーズという、特殊なプロセッサを搭載しているだけあって最大出力も140Wと大きい。
バッテリー容量は74.5Whと大容量だ。公称の駆動時間は、JEITA 3.0バッテリ動作時間測定法で動画再生時が約8.1時間、アイドル時は約14.8時間となっている。
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