気になる生成AIのパフォーマンスだが、こちらはグラフィックス性能ほどのインパクトはない。UL Procyon Benchmark Suites/AI Image Generation Benchmarkに含まれるAI関連のテストでは、いずれもGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU搭載機には遠く及ばないスコアにとどまっている。
それでも、グラフィックスメモリの必要量が多いLLMを使ったテキスト生成テスト(AI Text Generation Benchmark)もフルに実行できているのは立派だろう。このテストに含まれるLLAMA 2-13Bでは、12GB以上(外部GPUの場合)のグラフィックスメモリが要件となっている。実行自体ができない環境も多い中で、本製品はロードタイム3.45秒、平均トークン出力も毎秒24.63トークンと実用的なパフォーマンスを発揮できている。
なお、本製品の場合は、最大96GBのグラフィックスメモリ(メインメモリ128GB搭載時)が確保可能なため、LM Studioなどのツールを使ってLLMをローカル実行する場合には、より大容量のLLMも動作できる。パラメーター量が多く精度の高いモデルを試せるのは、Ryzen AI Max+ PRO 395を搭載した本製品ならではの魅力だろう。
LLMのローカル実行環境において、実行可能なモデルはグラフィックスメモリ容量に左右される。本製品は最大96GBまで増やせるため、通常のPCレベルでは体験できないようなパラメーターや精度の高いモデルを実行できる
FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーベンチマークの終了直前でFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温は25度)。最近のPCとしては全体に発熱が高めで、高負荷時にはパームレストにもじんわりと熱が伝わってくるHP ZBook Ultra G1a 14inch Mobile Workstationの最大の特徴は、何といってもAMDのRyzen AI Max PROシリーズの搭載だ。
通常の内蔵GPUとは別格の性能を備えた大規模なGPUコアを内蔵し、省スペースかつ省電力で高い性能を実現していることに加え、単体GPUよりもはるかに大容量のグラフィックスメモリを利用できるベネフィットは、これまでのプロセッサにはない大きなアドバンテージであり、本製品ならではのポイントだ。
14型の持ち運びやすいフォームファクターを採用することで、プロセッサのポテンシャルを最大限に生かしつつ、画面/キーボード/インタフェース構成/セキュリティなどを含め、使い勝手の面でもスキなく仕上がっている。クリエイティブ用途やAI開発環境に、新たな可能性をもたらしうる存在として要注目の製品だろう。
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