ここ数年で、大きなトピックとなりつつある“AI PC”。Microsoftが「新しいAI PC」として「Copilot+ PC」を定義し、要件を満たしたPCでは、Windows 11で新たに追加された(される)さまざまな機能を利用可能だ。
新しいAI PCおよびCopilot+ PCの要件を満たす40TOPS以上のNPUを統合したプロセッサは、QualcommのSnapdragon Xシリーズが先行したが、AMDからはRyzen AIシリーズが、IntelからもCore Ultra シリーズ2が発表され、それぞれの搭載機が登場している。
AI PCに注力する日本HPは、3種それぞれのプラットフォームを採用したAI PCを発売済みだ。今回それらを借用することができたので、3回に渡って比較検証していく。最終回となる今回は、バッテリー駆動時間や放熱性能のテストを実施するとともに、AI PCならではの機能を紹介しつつ、まとめていこう。
今回利用した3モデル。左から「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」(Core Ultra 7 258V搭載)、「HP OmniBook Ultra 14-fd0007AU」(Ryzen AI 9 HX 375搭載)、「HP OmniBook X 14-fe」(Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載)まずは、今回取り上げる3モデルのスペック(抜粋)を掲載する。「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」(Core Ultra 7 258V)、「HP OmniBook Ultra 14-fd」(Ryzen AI 9 HX 375)、「HP OmniBook X 14-fe」(Snapdragon X Elite X1E-78-100)の3台について下記にまとめた。
今回はバッテリー駆動時間と動作音などのテストを進めていくが、公称のバッテリー駆動時間、バッテリーレポートで確認した設計容量(DesignCapacity)はそれぞれ異なっている。Qualcomm機が最も長く、次いでAMD機、Intel機の順となっている。AMD機とQualcomm機の画面が2.2K(2240×1400ピクセル)の液晶ディスプレイであるのに対し、Intel機のみ2.8K(2880×1800ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載しており、輝度も最大400ニト(他の2モデルは300ニト)と高くなっていることが影響しているのだろう。
バッテリーの駆動時間は、3モデルが共通の条件でテストできるPCMark 10 Applicationsを利用した。バッテリー駆動時の画面の輝度は50%に調整している。
また、Windows 11の電源設定は「最適な電力効率」、離席検知で画面を消灯するプレゼンスセンシングは「無効」、バッテリー駆動時の省電力モードへの移行は「20%以下」で統一。Intel機とAMD機で設定できる「myHP」ユーティリティーのシステム制御設定は「SmartSense」を選択した。
結果は、Qualcomm機が21時間36分と他の2モデルを圧倒する長時間駆動を見せた。次はAMD機で15時間41分、Intel機は12時間11分だった。Intel機は高輝度/高解像度の有機ELディスプレイであることが響いているのだろう。
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