動作音については、CINEBENCH 2024(最低実行時間10分)を使ってアイドル時と高負荷時で計測した。システム設定関連は性能テストと同様で、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」、Intel機とAMD機で設定できるmyHPユーティリティーのシステム制御設定は「パフォーマンス」を選択している。騒音計は本体の手前から5cmの距離に置いた。
アイドル時については、どれもほぼ無音で低負荷時もほとんど気にならないが、高負荷時には差があった。最も静音だったのはIntel機で、高負荷時であっても静かな部屋でなければ気にならない程度の音に抑えられていた。
一方、Qualcomm機とAMD機は高負荷時には明らかに動作音が大きくなった。特にAMD機は外部GPUを内蔵しないビジネス機としては少しピークの音が大きめの印象だ。高いパフォーマンスを発揮できるぶん、冷却の必要性もあるということだろう。
次にボディーの発熱、放熱性能を見よう。CINEBENCH 2024実行開始から約10分後のサーモグラフィーをFLIR ONEで撮影した。測定時の室温は約18度だ。システム設定関連は性能テストと動作音テストと同様で、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」、Intel機とAMD機で設定できるmyHPユーティリティーのシステム制御設定は「パフォーマンス」を選択している。
発熱の傾向はIntel機とAMD機が似ており、ヒンジ部からキーボード中央部の奥側にかけて熱を帯びるが、手がよく触れるパームレスト部までは伝わらない。発熱部の最大温度は、AMD機が47.5度に対し、Intel機は39.2度と低かった。
また、Qualcomm機の発熱はボディー左奥が中心となる。ピーク温度は46.3度、パームレスト部は最大で33.2度と体温より低いものの、Intel機やAMD機に比べるとパームレストまで若干熱が伝わってくる。
AI PCがもたらす体験についても触れておこう。Microsoftが定める「Copilot+ PC」の要件を満たしたPCは、Windows 11が標準で提供するローカルAIアプリ(NPUでAI処理を行うアプリ)により、新しいAI体験を得られる。
現状では、Qualcomm機に導入されているArm版Windows 11のみが先行していて、イメージスケッチやテキスト情報から画像を生成する「コクリエイター」や、再生した動画にリアルタイムに翻訳字幕(現状英語のみ)を付けてくれる「ライブキャプション」、カメラの映像にリアルタイムにエフェクトを加える「Windows スタジオエフェクト」にもより高度な効果が加わっている。
さらに、ファイル/画像/テキストなどPC上で見たもの、操作したものを過去にさかのぼって探し出すことができる「リコール」機能も開発者向けのプレビュー版で実装されており、近日正式に実装される見込みだ。
Intel機やAMD機向けのWindows 11ではリコール以外の機能も正式実装が遅れているが、こちらもリコール機能を含めてプレビュー版では実装されており、いずれは使えるようになる。
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