日本HPから登場したAI PCの3台を横並びで比較してみた。一見、同じHP OmniBookブランドで似たような製品に思える3モデルだが、実際にはかなり性格の異なる製品であり、それぞれのプロセッサの特徴を生かして製品企画されていることが明確になった。
まず、最先端のパッケージ技術と3nmプロセスルールを導入したIntelのCore Ultra 200Vシリーズは、省スペース性と低発熱性に優れており、1kg以下の超薄型軽量クラスや1kg前後の2in1モデルに向いている。フリップタイプのHP OmniBook Ultra Flip 14-fhに使うプロセッサとしてはまさに最適解であり、どのスタイルで運用しても発熱や動作音が気にならず、快適に使える2in1モバイルPCに仕上がっている。
AMDのRyzen AI 300シリーズはパフォーマンス、特にマルチスレッド性能に秀でており、性能重視のビジネスPCやクリエイターPC、ゲーミングPCに向く。HP OmniBook Ultra 14-fdは、薄型ながら大きめのフォームファクターにまとめたパフォーマンス志向のビジネスPCであり、持ち運べる範囲内でその高い性能の恩恵をしっかり享受できる仕上がりだ。
また、QualcommのSnapdragon X Eliteは、Armネイティブアプリに限れば、Ryzen AI 300シリーズに近いパフォーマンを示すとともに、傑出したバッテリー効率も兼ね備える。Armアーキテクチャゆえ幅広い用途で活用するには互換性の不安が付きまとうが、ビジネスや教育などの現場で利用するアプリが限定されているならば、Armネイティブ環境中心に問題なく運用できる現場も少なくないと思われる。
HP OmniBook X 14-feはIntel機やAMD機に比べてコストダウンを図っており、20万円を切る入手しやすい価格にまとまっている。そうした限定的な用途においては、長時間駆動という付加価値を備えた高いコストパフォーマンスな選択肢として浮上する。もちろん、互換性の不安を承知で目新しいArmアーキテクチャと、新しいAIの可能性を体験したい方にも適した製品だろう。
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