発熱に関しては、ベンチマーク中にサーモグラフィーカメラを使ってチェックした。表面で40度、裏面で42.3度、コントローラー付近で48.5度だった。無風状態でこの温度なら、実環境であるNASでの使用やデスクトップケース内に入れて使用する場合はファンがあるので安心だろう。
消費電力もチェックしておこう、測定にはUSB接続時に使うACアダプターに、ワットチェッカーを付けて数値を読み取った。
HDDを取り付けない状態でUSBクレードルをオンにした状態で1W、アイドル時には7〜8Wとなり、アクセス時には9〜10W、スピンアップ時は最大で21Wとなった。HDD以外の部分の電力も上下あると思うが、1Wと考えるとHDD単品ではスピンアップ時を除けば6〜9Wと大容量だから消費電力が高くなることもない。
動作音については計測してないが、モーター音やシーク音などで気になることはなかった。
最後に、ASUSTORのNAS「NIMBUSTOR 4 Gen2」を使って、iSCSI接続で内蔵ドライブと同様にCrystalDiskMarkでベンチマークテストを行った。結果としてシーケンシャルはSATA接続とほぼ変わらない速度になった。
これは、今回使ったNASが2.5GbE対応というのもポイントだろう。ランダムのスコアが高くなっているがこれはNASのキャッシュが効いているためだ。
続いて、実際のファイルをPCからNAS、NASからPCで転送時間を測定した。こちらはiSCSI接続ではなく通常のネットワークドライブとして転送した。ファイルは動画データ362ファイル/274GB分、DiskBenchソフトを使いコピーにかかった時間を計測した。
結果は以下の通りだ。
ここではHDDが1台のため、ミラーリングなどのRAIDは構築できなかったが、パフォーマンスとしてはネットワーク経由としても十分な速度だろう、これならNAS側も2.5GbE対応の有線LANが必要になってくる。
NASで大容量のHDDが欲しいなら、これを使おうと思えるだけのパフォーマンスと容量を備えているのが本製品だ。価格は同社直販で1台12万6500円となるが、1TBあたりの単価は4865円と5千円を下回る、もちろん、TB単価ではコンシューマー向けの8TBあたりが一番安いが、24時間365日稼働できてNASに最適化されている上に、何より8TB×3台分のスペースと電力が1台に収まる魅力がある。
ハイエンドユーザーや動画編集など、クリエイティブ作業のファイル置き場に容量が欲しいNASを活用しているユーザーにはいいHDDとなるだろう。
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