設立20年目を迎えるデル「宮崎カスタマーセンター」に行ってきた もう、コールセンターと呼ばれなくなるであろう理由(2/3 ページ)

» 2025年08月04日 12時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

実際のサポートプロセス 進むAIの利活用

 実際のサポートプロセスは、ユーザーからの電話、SNS、LINE/チャット、Webリクエストで受け付け、サポートやテクニカルな対応を正社員が一括して受け付けている。社内ではサポート担当者を「エンジニア」と呼んでおり、サポートを一貫して行うと共に、修理手配までを受け持つ。

宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 宮崎カスタマーセンターで行われているサポートのプロセス
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 サポートの内容に応じてプロセスは異なる

 随所にAIが導入されており、調査や切り分け、サマライズなどで活用している。ここ1〜2年でさまざまなテクノロジーや自社ツールをグローバルで導入しており、今後は修理手配をエンジニアが手配した際、選んだパーツが正しいかをAIが判定する機能も導入予定だという。

 顧客情報管理ツール(Gen AI Case Summary)では、AIが過去の問い合わせ履歴などをサマライズして、スピーディーな状況把握と継続的な対応を実現。技術ツール(Digital Tech Console)では、故障箇所や問題を選ぶと次の確認手順が自動表示され、対応品質の均一化と時間短縮を果たしているとのことだ。

 また、案件管理ツール(Case Intelligence Dashboard)では、ユーザーの過去の入電回数や修理回数をAIが分析し、満足度が低下する可能性がある場合にアラートを発したり、エンジニアがすぐにフォローアップできるように優先順位を指示したりする。

宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 現場で使っている具体的なAIツール群。フローが見える化することで、対応のクオリティーが一定以上のレベルになると共に、時間の短縮にもつながっている
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 仮想アシスタント(Virtual Assistant)を介してユーザー自身に対応してもらったり、ユーザーから送ってもらった画像から損傷などを検出したり(Visual Listening)、スマホをPCにかざすと修理過程を示す「AR Assistant」なども使われている
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 スマホアプリ「Dell AR Assistant」(iOS/Android対応)を使ったセルフサポートの画面。ノートPCのバッテリー交換を選択し、アプリを導入したスマホのカメラをかざしているところ
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 底面カバーのネジを外すように指示された
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 カバーを外してスマホをかざすと……
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 交換するバッテリーの位置と、固定ネジの説明が表示される
宮崎カスタマーセンター デル・テクノロジーズ DELL サポート 組み立て教室 いろいろな最新ツールが導入済みだが、いわゆるシフト表はExcelが使われている。グローバルで提供されているツールもあるが、なかなか現場に適応できず、Excelでの最適化が続いているそうだ

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