詐欺電話や迷惑電話ともおさらばできる!? 次期バージョン「iOS 26」で電話対応が劇的に変わる理由(2/2 ページ)

» 2025年08月20日 06時00分 公開
[林信行ITmedia]
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Web閲覧とパスワードの安全性も進化

 Web閲覧に潜むリスクの多くは「トラッキング」だ。旅行先や商品の検索後に関連広告が延々と表示される経験をしたことがある人も多いだろう。これはWebサイトに仕込まれた複数のトラッカーが閲覧データを収集しているためだ。

 Safariには、以前から「インテリジェント・トラッキング防止」機能が実装されていたが、iOS 26ではさらに強化され、端末環境をもとに個人を特定する「フィンガープリンティング」にも対応し、情報を匿名化することで追跡を難しくしている。

 さらに、プライベートブラウズはFace IDによる保護が可能となり、のぞき見や不正追跡からも守られる。

 パスワード管理も進化した。新たに標準搭載された「パスワード」アプリは、強力なパスワードを自動生成/保存し、入力不要で利用できる。Wi-Fiのパスワードや二要素認証コードもまとめて管理でき、iOS 26からは過去のパスワード履歴を参照できるようになった。万が一流出した場合には警告が表示され、家族との安全な共有機能も用意されている。

Apple アップル iOS 26 コールスクリーニング メッセージ フィルター安全 安心 パスワードアプリも進化した。全てのパスワードを安全に一元管理できるようになり、友人や家族にパスワードを共有する必要がある場合も、それを安全に行うための機能が追加されている。認証アプリによるコードや、過去に使ったパスワードなども記録されて参照が可能で、あなたのパスワードが漏えいした可能性がある場合は、それも知らせてくれる

盗難対策とアプリ非表示

 スマートフォン利用において、最も現実的なリスクは「盗難」だ。これまでの「iPhoneを探す」や「アクティベーションロック」に加え、iOS 26では「盗難デバイス保護」が大幅に進化した。

 窃盗犯にパスコードを盗み見られても、重要な操作には必ずFace ID認証が必要となり、さらに再度試すまで1時間の遅延を設けることで総当たり攻撃的なハッキングを防ぎ、ユーザーに対処する時間を稼ぐ。加えてeSIMの不正転送もブロック対象となり、物理的にもソフトウェア的にも盗難を防ぐ設計となった。

 プライバシー保護の面では「アプリのロックと非表示」も大きな進化だ。写真アプリや転職アプリなど、他人に勝手に見られたくないアプリはFace IDでロックでき、必要に応じて存在自体をホーム画面から消すことも可能になった。通知も遮断され、利用者だけが「隠しフォルダ」からアクセスできる。

AI時代のセキュリティ

 Apple Intelligenceでは「ライブ翻訳」が加わり、メッセージのやりとりを途切れさせずにリアルタイム翻訳ができるようになる。処理は可能な限りオンデバイスで行われ、必要に応じて利用される「プライベートクラウドコンピュート」でも、Appleを含めて誰もデータにアクセスできない仕組みとなっている(ただし、日本語に対応しているのはメッセージのライブ翻訳だけで、音声通話を逐次通訳してくれる機能の日本語対応はしばらく待たなければならない)。

 さらにChatGPTの統合も、ユーザーが明示的にオンにしない限りデータが送られることはなく、Apple IDやIPアドレスは共有されない。外部のAIを利用しながらも、利用者が常に主導権を握れるよう配慮されているのだ。

最初から「安全」を目指したOS

 電話/メッセージ/Web/アプリ/AI……iOS 26で導入される機能群は、ユーザーの日常に潜むリスクを幅広くカバーし、利便性と安全性の両立を図っている。だが忘れてはならないのは、これらは新たな方向転換ではなく、Appleが設計段階から一貫して掲げてきた4つの大原則――「最小限のデータ収集」「オンデバイス処理」「透明性とコントロール」「最先端のセキュリティ」――を着実に発展させた結果だということだ。

 iPhoneは特別な設定をしなくても「セキュリティとプライバシーが標準でオン」の状態で手元に届く。利便性を犠牲にせず安全性を提供すること、これこそがiOSが他のスマートフォンと一線を画す理由であり、iPhoneをテクノロジーに詳しくない年配者などにも勧めやすい理由の1つだ。iOS 26は、その哲学をさらに一歩進めたバージョンとなる。

 特に冒頭で紹介した通話スクリーニング機能とメッセージスパムのフィルタリング機能からも、スマートフォンをターゲットにした詐欺行為のターゲットになりそうな人々には強くお勧めしたい。

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