続いて、Magic Drawing Pad(2025年モデル)を見ていきましょう。基本的には12.2型のやや大柄なAndroidタブレットです。アスペクト比が3:2なので、横持ち時は縦幅に余裕があり、縦持ち時には細長すぎないため画面を見やすいです。
背面は普通のAndroidタブレットで、暗い色合いのせいか高級感があります。
純正のケースを着けると、背面にペンを装着できます。
こちらは横持ちが基本になっていて、上側にボリュームボタン、左側に電源ボタンがあります。本機はMagic Note Padと違って、X-Paperボタンはありません。
ペンは「X3 Pro Slim」で、2025年モデルでは新たに傾き検知に対応しています。
2024年モデルと、Magic Drawing Pad(2025年モデル)との主な差は、以下の通りです
性能や描き味の面でも両モデルに大きな差はないと思います。なぜこれくらいの変化で更新に至ったのかは自分には分かりませんが、旧モデルを買った人は当面は心安らかでいてもよさそうですね。
また、本機はCLIP STUDIO PAINTとアイビスペイントXそれぞれの3カ月利用権と、MediBang Premiumの6カ月利用権が付属します。イラスト用途でポピュラーなアプリをいくつも試せるのはなかなかうれしい特典です。
Magic Drawing Pad(2025年モデル)のペン性能は、Magic Note Padと似ています。
カーソルのズレは、旧モデルから引き続き存在する問題です。傾き検知に対応したなら自動補正できそうと思っていたので残念なポイントですね。自分がよく持つ角度で違和感を覚える場合は、設定アプリの「手書きのオフセット」の設定で補正しておくのがよいでしょう。
また、本機は傾き検知はアピールされていますが、今のところ正しく動作しないようです。問題の1つが、傾きが90度ずれていること。もう1つが、値がかなり不安定に取得されることです。これらは手元の評価機だけでなく、ショップの展示機でも再現を確認しました。
正常な場合はこちら。Cintiq Proで同じ運筆を試した場合です。描線が寝ている部分が異なるのと、寝方が安定しているのが分かるでしょうか。
いずれ直るかもしれませんが、当面は傾き検知が無いアプリやブラシを利用するか、開き直って「そういうテイストのブラシ」として楽しむのが良いでしょう。
全体として、先代の課題だった遅延やカーソルスレが、さして良くなっているように感じられず、傾き検知の問題のせいで逆に粗削りな面が目立ってしまっているのが惜しいです。
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