Panther Lakeには、AI(人工知能)の推論処理に特化した推論アクセラレーター「Intel AI Engine」の第5世代(NPU 5)が搭載される。先代のCore Ultra 200Vプロセッサ(Lunar Lake)に搭載されている第4世代(NPU 4)のピーク性能は最大で48TOPS(毎秒48兆回)だったのに対して、NPU5は最大で50TOPS(毎秒50兆回)となり、性能は微増している。
いずれにせよ、Microsoftの「Copilot+ PC」の動作要件である「40TOPS以上」は上回っていることになる。
Intelは、Panther Lakeにおいて映像処理プロセッサ「IPU 7.5」を強くアピールしている。これを活用することで、Panther Lakeプラットフォームをエッジコンピューティングや組み込み用途にも広げる狙いがある。
Panther Lakeは、高性能なCPUコア、GPUコア、NPU、そしてIPUが統合されたSoC(System on a Chip)だ。Panther Lakeを小さな基板に搭載しただけの最小構成コンピュータボードでも、学術方面や産業用途に必要十分な性能を提供できる――そう自信を見せているのだ。
会場では、そうしたPanther Lakeのワンボードコンピュータを用いたロボットや交通量分析システムなどの実動デモを行っていた。具体的にいえば、「Raspberry Pi」シリーズよりも高性能で、「NVIDIA Jetson」シリーズの導入を検討しているユーザー層を狙っているような印象を受けた。
なお、NPUやIPU7.5についても、別記事でフォローすることにしたい。
Panther Lake搭載のワンボードコンピュータを掲げるマイク・マッシ氏(エッジプロダクトマネジメント担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー)。Panther Lakeはエッジや組み込み用にも展開されるというより具体的な,先代との性能比較については、実際の製品が出てきたときに各メディアから出てくるはずだ。現時点ではIntelがLunar Lake/Arrow Lakeのシングルスレッド性能とマルチスレッド性能向上率を公開している。
これによると、Panther Lakeは、
するのだという。実際、18Aプロセス製造のCPUタイルが、このような「低電力×高性能」というパフォーマンス特性に大きく働いていることは間違いないだろう。
CPUアーキテクチャ的な視点だけから見ると、Panther Lakeはマイナーチェンジといえなくもない。しかし、プロセッサ製造技術から見れば、民生向け初の「アンダー2nmプロセス相当のCPU」ということで、注目度は高い。業界のみならず、多くのファンから熱い視線が送られるCPUということになりそうだ。筆者自身も、Panther Lake搭載のノートPCの登場が楽しみでならない。
次回は、Panther LakeのGPUコアについて、深掘りをしていきたい。
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