レノボ・ジャパンは10月24日、ウェアラブルディスプレイ「Lenovo Legion Glasses Gen 2」を発売した。直販価格は5万5000円とのことだが、10月30日時点で直販サイトの販売は行われていない。
そして10月28日に、レノボ・ジャパンは本製品と9月25日に発表したAndroidタブレットの新モデルの説明会を開催した。この記事では本製品に的を絞って解説していく。
レノボでは、製品シリーズに世代名(ジェネレーション)を付けている。名前からも分かる通り、Legion Glasses Gen 2は2023年に登場した「Lenovo Legion Glasses」の2世代目に当たる。
パッと見で分かる改良ポイントはスリム化だ。初代はフレーム(額縁)が厚めだったが、Gen 2はティアドロップタイプとなり、テンプル(つる)の部分もやや細くなった。
そして、見た目からも察せる通り軽量化も果たしている。初代は約96gだった重量がGen 2では約65gと、31gほどの軽量化を果たした。
これらの改善により、Gen 2では装着した際の“やぼったさ”が大きく緩和され、スマートに使えるようになった。
もう1つ、外観から分かる初代からの変更点として、USB Type-Cケーブルを着脱できるようになった。初代モデルは柔軟性の高いケーブルを採用したため「外せなくても問題ない」と判断し、片方のテンプルにケーブルを“じか付け”していた。
しかし、初代のユーザーから「片付ける時にかさばる」という意見が寄せられたこともあり、Gen 2ではケーブルを着脱できるようにしたという。USB Type-Cケーブルは、他の付属品と一緒に専用ケースに入れて持ち運べる。
Legion Glasses Gen 2の左右両眼には、フルHD(1920×1080ピクセル)解像度の有機ELディスプレイが搭載されている。パネルの解像度自体は初代と同じだが、サイズは0.49型から0.6型に大型化した他、最大リフレッシュレートは60Hzから120Hzに、視野角は38度から43.5度に広がった。
パネルサイズの大型化と視野角の拡大により、眼前に広がる映像は最大で126型相当になったという(スクリーンを4m離れて見た場合で換算)。
コストを抑制する観点から、本製品は調光機能を備えていない。その代わり、付属品として「ライトシールド」を用意している。これを装着すると没入感を高められるのだが、下方から入り込む光までは遮れない。「もっと没入感を高めたい」という場合は、暗い部屋で使うのが良い。
目に近視や乱視を抱えている人は、付属の「レンズフレーム」にメガネレンズを入れることで対応できる。ただし、付属するのはフレームのみなので、レンズはメガネ店に依頼して装着してもらう必要がある。
Legion Glasses Gen 2には、先代と同様に指向性のステレオスピーカーが搭載されている。耳をふさぐことなく音楽や動画、ゲームの音声を楽しめる。
加えて、本製品は新たにマイクを備えている。これは初代のユーザーからのフィードバックを受けて搭載が決まったそうだ。映像と音声がDisplayPort Alternate Modeによる伝送なのに対して、マイクはUSB Audioによる接続となる。
Legion Glasses Gen 2はWindows PCやMac、Androidスマートフォン/タブレットやiPhone/iPadなど、DisplayPort Alternate Modeに対応するUSB Type-C端子を備えるデバイスと組み合わせて利用可能だ。レノボが動作を確認したデバイスは、ユーザーズガイドに記載されている。
据え置き/ポータブルゲーム機については、HDMI出力端子をUSB Type-C端子(DisplayPort Alternate Mode)に変換するアダプター/ケーブルを用意することで接続できる。ただし、一般的にUSB Type-C端子をHDMI出力に変換するアダプター/ケーブルと比べると高価な傾向にある。
直販価格で5万5000円と、ウェアラブルディスプレイとしては比較的手頃な価格を実現した本製品だが、その秘密は自身で設定できることを最小限としていることが大きい。例えば視界の調整はノーズパットやテンプル(と、必要に応じて度付きレンズ)でのみ行うようになっており、コントラストやピントを合わせる機構は省かれている。輝度やスピーカーのボリュームはこちらで調整可能だが、リフレッシュレートについては接続先のデバイスで調整する必要がある。
もっとも、このシンプルさゆえに接続するデバイスを選ばないという大きなメリットが得られる。本製品が気になる人は、11月8日/9日にさいたま新都心公園(さいたま市大宮区)周辺で行われる「サイクルフェスタ」で実機が展示されるそうなので、ぜひ見に行ってみてほしい。
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