Lenovoが9月4日(ヨーロッパ中央時間)にドイツ・ベルリンで開催した自社イベント「Lenovo Innovation World 2025」では、イベントに合わせて発表された新製品やコンセプトモデルが展示された。
本稿では、イベント展示で注目度の高かったポータブルゲーミングPC「Lenovo Legion Go 2」の試遊インプレッションと、Lenovoの重役や開発メンバーに対して自由な質問が行えたラウンドテーブルセッションの模様をお届けする。
これまでも、一般的なノートPCより小さいフォームファクターとして「UMPC(Ultra Mobile PC)」というジャンルは存在したが、2020年代に突入して急激に人気を集めるようになってきたのは、ゲーミングに特化したUMPCであるポータブルゲーミングPCだ。この製品ジャンルの人気が一層加速するきっかけとなったのは、2022年に発売されたValveの「Steam Deck」であることは間違いない。
このSteam Deckは、価格と性能のバランスをちょうど良い“落とし所”でまとめていたこともあり、こうしたニッチなジャンルの製品としてはかなり売れた。
その後、価格をさらに重視した感じの類似製品や、逆に価格を度外視して性能を極めた類似製品などが、世界中の多様なメーカーから誕生した。プロトタイプを公開しただけで発売できなかった製品も多かったが、Steam Deckの発売から3年が経過しそうな現在では、このジャンルに継続的に製品をリリースするメーカーの顔ぶれが固定化してきた感もある。
2025年8月に開催された「gamescom 2025」では、ASUSTeK Computerの「ROG Xbox Ally」シリーズの実機展示に注目が集まった。日本では2025年10月16日に発売予定で、エントリーモデルのROG Xbox Allyは8万9800円で販売される(参考記事)かくいうLenovoも、この製品ジャンルに力を入れているメーカーの1つだ。2023年に初代「Legion Go」を投入し、2025年1月には「Legion Go S」を発売した(日本未発売)。
ややこしいのだが、Legion Go Sには大きく2つのモデルがある。1つは「Legion Go S Powered by SteamOS」で、名前の通りSteamOSをプリインストールしている。こちらはLegion Goと同じ「Ryzen Z1 Extreme」を搭載する上位モデルという位置付けだ。
もう1つが「Legion Go S」だ。こちらはLenovoがカスタムしたSoC「Ryzen Z2 Go」が搭載されている。CPUコアはZen 3アーキテクチャの4コア8スレッド、GPUコアはRDNA 2世代となっており、ベースアーキテクチャはやや古めで、性能も初代Legion Goに及ばない。スペック的には「エントリークラスの廉価機」という位置付けで、OSはWindows 11かSteam OSから選べる。
Legion Go SはSteamOS搭載モデル(ブラック)とWindows 11 Home搭載モデル(ホワイト)が用意されており、初代Legion GoとLegion Go S Powered by SteamOSの両方の廉価版という扱いとなっている今回のイベントでは、1月の「CES 2025」で投入が予告された新しいハイエンドモデルであるLegion Go 2の“実機”がいよいよ試せたのだ。
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