さて外観チェックはこれくらいにして、OmniBook 7のパフォーマンスについて各種ベンチマークテストを通して詳しくチェックしていこう。
今回手元に用意したスタンダードプラスモデルに搭載されているCPUは、Arrow Lake-H世代のIntel Core Ultra 5 225Hで、薄型モバイルPCの中でもパフォーマンスを追求したモデルによく採用されるモデルだ。
スタンダードモデルのIntel Core Ultra 5 225Uと比べると、パフォーマンスコア数やパフォーマンスコアの最大周波数、ベース周波数、内蔵グラフィックスの強化が図られている。その反面、PBP(Processor Base Power)が15Wから28Wに増加している。
しかし、消費電力が増えるとなると「その分のバッテリー消費が大きくなり、バッテリー駆動できる時間が短くなるのではないだろうか」と考える人もいるだろう。そこで、OmniBook 7でPCmark 10のバッテリーベンチマークテストを実行し、満充電状態から何時間PCを利用できるか確認してみた。
結果は以下の通りだ。なお、バッテリーベンチマークテストでは、Windowsの電源モードをバランスに設定して実施している。
仕事でOmniBook 7を利用することを想定し、ビデオ会議やWebブラウジング、文書作成を行うModern Officeシナリオでテストしてみたところ、バッテリー満充電の状態から、16時間6分も稼働することが分かった。
もちろん、ゲームなどより高負荷なアプリケーションを利用すれば、バッテリー駆動時間はさらに短くなるものの、一般的な用途であれば、ほぼ充電なしで利用できるのだから驚きだ。
続いては、各種ベンチマークテストを通してOmniBook 7の性能について詳しくチェックしていこう。なお、今回テストで利用するスタンダードプラスモデルの主なスペックは以下の通りだ。
ベンチマークテストの比較参考として、下記スペックの「HP OmniBook 7 Aero 13-bg」(以下、OmniBook 7 Aero)のテストデータも載せている。比較機はAMD Ryzen CPUを搭載しているため、世代間比較にはならないが、あくまで参考として見てもらえれば幸いだ。
まずは、3DレンダリングによってCPUの性能をテストする「CINEBENCH 2024」を実行し、OmniBook 7の実力を測ってみた。結果は以下の通りだ。
なお、OmniBook 7 AeroではCINEBENCH 2024でベンチマークを実行したデータを持ち合わせていないため、以前のバージョンであるCINEBENCH R23の結果もあわせて掲載している。
<OmniBook 7>
<OmniBook 7>
<OmniBook 7 Aero>
こうして見ると、Intel Core Ultra 5 225Hはパフォーマンスコアが4コア、高効率コア8コア、低消費電力高効率コア2コアの14コア14スレッド構成で、パフォーマンスコアや高効率コアの最大周波数が大きいこともあり、OmniBook 7 Aeroと比べて高いパフォーマンスを示していることが分かる。
とはいえ、OmniBook 7 Aeroは本体重量が約970gの超軽量ノートPCという大きなメリットがあるため、頻繁に持ち運ぶ場合はOmniBook 7 Aeroを、あまり外に持ち出さずかつ据え置き機としても利用したい場合は、OmniBook 7を選択するとよさそうだ。
続いて、さまざまなアプリケーションを実行して総合的なパフォーマンスを測定できる「PCmark 10」を実行し、OmniBook 7の総合的な実力を試してみた。結果は以下の通りだ。
<総合スコア>
<Essentials>
<Productivity>
<Digital Content Creation>
基本的にCPUパフォーマンスについてはOmniBook 7が高い値を示していたことからも分かる通り、Webブラウジングやビデオ会議、アプリ起動時間などから一般的なPC利用時のパフォーマンスを測定するEssentialsテストでは、OmniBook 7 Aero比で114%のスコアを発揮している。
筆者の予想をいい意味で裏切ってくれたのが、CPUとGPUのバランスが重要なProductivityテストと、特にGPU性能に依存するDigital Content Creationテストにおいて、OmniBook 7が高いスコアを示している点だ。
どうしてもIntel CPUの内蔵GPUは非力だというイメージが長年付きまとっているため、この結果には正直驚いた。
であれば、実際に発売されているゲームのベンチマークテストを実施すると、良い結果が得られるのではとも考えられる。続いて「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を用いて、内蔵グラフィックスのパフォーマンスを確認してみた。
今回は内蔵グラフィックスということも踏まえ、解像度を「フルHD(1920×1080ピクセル)」に設定した上で、品質を「最高品質」「高品質(ノートPC)」「標準品質(ノートPC)」でそれぞれテストを実施した。結果は以下の通りだ。
やはりPCmark 10のベンチマークテスト結果から「Intel Arc 130Tはパフォーマンスの高い内蔵グラフィックスなのでは」と考えていたが、間違いではなかった。
ノートPCの内蔵グラフィックスだけで、ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシーをフルHDで楽しめるのは、ユーザー目線で考えると高い外部GPUを搭載せずとも済むということで、非常にうれしい強みと言えよう。
子供の頃、リネージュIIをプレイするにはPentium 4が搭載されたデスクトップPCが必要で、親から買ってもらったThinkPad 600では到底プレイできないことを知らされ、悲しみに暮れていたころを思い出した。
今の時代であれば、ノートPCでも3DMMORPGを遊べるなんて、良い時代になったものだ。
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