トークセッション第2弾は、「ZOZOコラボ記念トークセッション HHKB×FASHION TECHでひらく、創造性の扉」というタイトルで行われた。
司会を務めたのは2025年にHHKBエバンジェリストに加わったカケハシ 櫛井優介氏、登壇者は同じくエバンジェリストになったばかりのZOZO 諸星一行氏とZOZO assu_(アッスー)氏だ。ちなみに、諸星氏は今回のHHKB×ZOZOTOWNコラボの企画開発メンバー、assu_氏はIT統括本部 開発支援チームメンバーだ。
HHKBエバンジェリストに就任したばかりの諸星氏は、「エバンジェリスト認定キートップを頂けたのでうれしくて装着してきた。それからちょうど藤のカラーキートップが発売されたので、WASDだけ刻印あり、あとは無刻印を換装してきた」と自身のHHKB Professional HYBRID Type-Sを見せつつ、「髪色も、藤に合わせてきた」とこだわりを紹介した。
assu_氏は、「カラーキートップの蒲公英が出たことで、4、5年の間封印してきた欲しいという気持ちを開放し、HHKB Professional HYBRID Type-Sを購入した。黄色は自分のテーマカラー。キー配置を覚えたところからどんどん無刻印の蒲公英に変えているので、いつかは満開にしたい」と語っていた。
今回、ZOZOTOWNとコラボしたHHKBだが、そもそも“おしゃれ”とHHKBはマッチするのだろうか。
assu氏は、「カラーキートップが出てきてからHHKBを購入したので、おしゃれになってきていると思う」という。「HHKBに出会ったばかりの頃は、職人やプロフェッショナルが使うような存在で、素人が手を出してはいけないと感じていた。しかし、いつの間にか『あれ、もしかしてかわいいかも?』と思えるようになり、そこへ蒲公英のカラーキートップが登場した」と理由を語った。
「HHKBがおしゃれになってきたというより、自分はこういう人間だというのを表現できるキーボードなんじゃないかなと思う。自分を表現するところはファッションに似ている。自分を表現できるキーボードという意味では、おしゃれになってきてると捉えられるのではないか」(assu_氏)
「キーボードは毎月生えてくる」と、ひんぱんにHHKBを購入する櫛井氏も、「打ち心地しか気にしていなかったHHKBが2021年に雪モデルを出してきた。衝撃的な出来事で、25周年モデルを買ったばかりだったのに、雪モデルも買ってしまった」と振り返る。
HHKBの近年の年表を見つつ、「2023年には市販のキーキャップを換装できるHHKB Studioが発売され、ユーザー層が広がったと感じている。そして2024年にカラーキートッププロジェクトが始動し、さらに層が厚くなったのではないかなと思う」と解説した。
カラーキートッププロジェクトが第四弾を迎えたことに触れつつ、「黄色以外にご興味は?」と櫛井氏が振ると、assu_氏は「差し色で欲しいと思うことはある。だから、フルセットではなく1個単位で販売してくれるとうれしい」と希望を述べていた。なお、諸星氏は利用している英語配列のカラーキートッププロジェクトを全色とも刻印ありと無刻印を購入している猛者である。
ZOZOコラボアパレル開発エピソードに入る前に、櫛井氏が1つの疑問を提示した。それは「HHKBとアパレルという組み合わせは唐突なのでは?」というものだ。
しかし諸星氏は「実はPFUダイレクトショップでTシャツを扱っていたことがある」と答える。「そのこともあり、アパレルとのコラボがいけるのではないかと考えた」というのだ。
また、assu_氏は「ZOZOはアパレル企業というイメージをもたれがちだが、実は“ファッションテック企業”。ファッション(にまつわる課題)をテクノロジーの力で解決するという経営戦略を持っている。それゆえ、ガジェットとの親和性が高い」と解説した。
開発時のエピソードとして興味深かったのは、そもそもエンジニアの諸星氏が、デザインの企画メンバーに参加する承認を得た方法だ。
「エンジニアの仕事をしつつ、企画にもかかわる有機体のような働き方をする必要があった。承認を得るために、“HHKBとは?”というところから始める必要があった」と諸星氏は言う。
「ノートPCにキーボードがあるのに、なぜ外付けのものが必要なのか、なぜそんなに高いものを買うのかというところまで説明しつつ、IT系のモノとコラボすることにより、IT系の人たちにもZOZOの製品を届けられる、ということで説得できた」(諸星氏)
「ファッションがモチベーションやクリエイティビティにあたえる影響」というテーマでは、なぜか「HHKBの2台目をassu_さんが買う頃では?」という質問にすり替わったが、assu_氏は、「HHKBを買ったことで、仕事や入力へのモチベーションが上がった」と上手に誘導していた。
assu_氏がそのことから伝えたかったのは「キーボードもファッションの1つである」ということだ。「ファッションの世界には着衣認知論という考えがある。これは部屋着でいるよりスーツを着ている時の方が背筋が伸びる、子どもであれば“瞬足”を履いていると最強になった気持ちになる。このように、服装は人の心理や行動に影響を与え、集中力やモチベーションを上げる」と解説した。
「服の先の、(指などに着ける)アクセサリーの先にあるキーボードは毎日使うものでファッションアイテムのようなもの。ネイルと同じで視界に入るものだからこそ、モチベーションを上げるためのアイテムになる」(assu_氏)
諸星氏も「ガジェットとして優れているからこそモチベーションが上がる。自分もメンズネイルを時々することがあるが、モチベーションが上がる。それと同じだ」と後押しすると、櫛井氏が「タイピング速度も上がる?」と笑いを誘って盛り上げていた。
今後、HHKBとコラボしてみたいことについてたずねられ、「今回のコラボで実現できなかったソックスやジーンズといったアパレルや、ポーチなどを作れればうれしい」と諸星氏が答えると、assu_氏は「カメラを包むような布でコラボしたい。季節に合わせられるものでおしゃれなデザインのものが良い。使わないときには端を結んでベルトのループに掛けられる。きっとかわいいだろうな、と妄想している」と希望を述べていた。
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