FCCL初のSnapdragonモデル「FMV Note U(FMV UQ-L1/WU6-L1)」の謎に迫る なぜこのタイミングでArmアーキテクチャなのか?(2/2 ページ)

» 2026年01月14日 11時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
前のページへ 1|2       

量販店モデルと直販モデルにある、複数の“細かい差”

 FMV Note UのSnapdragon Xモデルには、量販店向けの「FMV UQ-L1」と直販サイト限定のカスタマイズ(CTO)可能な「FMV WU6-L1(FMV Zero)」の2種類が用意されている。

 FMVのCTOモデルというと「量販店モデルをベースにカスタマイズができる」というイメージが強い。事実、他の新モデルではCTOモデルについて「量販店モデルがベース」という旨の説明がなされている。しかし、FMV WU6-L1については「FMV UQ-L1がベース」という旨の説明が見当たらない。

 よく見てみると、FMV UQ-L1とFMV WU6-L1には細かい所に複数の仕様差がある。かいつまんで紹介していこう。

その1:本体カラーと重量

 まず、両モデルは選べる本体カラーが以下の通り異なる。

  • UQ-L1:ピクトブラックまたはシルバーホワイト
  • WU6-L1:ピクトブラックのみ

 また、両モデルは本体の標準重量が以下の通り異なる(いずれも個体差で実測との差が出る場合がある)。

  • UQ-L1:約876g(ピクトブラック)/約886g(シルバーホワイト)
  • WU6-L1:約634〜640g(CTOオプションに応じて変動)

 WU6-L1は「世界最軽量のCopilot+ PC」をうたうだけあって、かなり軽量だ。一方、UQ-L1はカラーを問わず900gを切っているとはいえ、WU6-L1と比べると200g以上“重たい”。この重量差の理由は、ボディーカラーの違いはもちろんだが、これから説明する仕様差が大きく関わっている。

軽い 直販限定のWU6-L1は最軽量構成で約634g(ムサシ)、最も“重い”構成でも約640gとなる。これは搭載するSSDモジュールの違いに起因する差だという

その2:キーボード

 UQ-L1とWU6-L1は共に、キーボードがかな表記なしの日本語配列(84キー)となっている。キーピッチが約19mm、キーストロークが約1.5mmであることも変わらない。

 しかし、UQ-L1はLEDバックライト付きなのに対して、WU6-L1はLEDバックライトなしとなる。これは軽量化に伴う措置だ。

 なおWU6-L1はピクトブラックの“黒さ”を強調した「FMV Zero」モデルの一翼を担っており、標準ではキートップの印字も黒基調となる。ただし、CTOオプションで白基調の印字も選べるので、キーの視認性を重視する場合はカスタマイズしておきたい。

キーバックライト UQ-L1のキーボードにはLEDバックライトが搭載されている。Fn+スペースキーでオン/オフ(輝度調整)を行える
バックライト それに対して、WU6-L1のキーボードにはLEDバックライトが搭載されない(写真は白基調刻印のキートップ)

その3:USB Type-C端子の仕様

 UQ-L1とWU6-L1は共に、本体の左側面にUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力も兼ねたUSB Type-C端子を2基搭載している。しかし、両モデルは以下の通りUSB Type-C端子の仕様が異なる。

  • UQ-L1:USB4 Version 1.0(USB 40Gbps)
  • WU6-L1:USB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)

 「世界最軽量モデル」のUSB Type-C端子は、軽量(通常)モデルよりも通信速度が遅い――これはLIFEBOOK UHシリーズの時代から続く、FMV Note Uの“伝統”でもある。「なぜこうなるのか?」という点は、次に紹介する仕様差分による部分が大きい。

UQ-L1 UQ-L1のUSB Type-C端子にはUSB 40Gbps(USB4 Version 1.0)の刻印があるのだが……
WU6-L1 WU6-L1のUSB Type-C端子にはUSB SuperSpeed+(USB 3.2 Gen 2/USB 10Gbps)の刻印が施されている。つまり、USB Type-C端子の最大速度がUQ-L1よりも遅い

その4:バッテリーの容量/駆動時間

 UQ-L1とWU6-L1の一番大きな“差”は、バッテリーの容量だ。UQ-L1が63Wh(定格値:以下同)と少し大きめなのに対して、WU6-L1は31Whと、UQ-L1の半分以下の容量となっている。これが、WU6-L1がUSB4 Version 1.0端子を搭載できなかった大きな理由だ。

 このことはバッテリー駆動時間にも影響を及ぼしており、「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)」に基づく最長駆動時間は以下の通りとなる。

  • UQ-L1
    • アイドル時:約41時間
    • 動画視聴時:約26時間
  • WU6-L1
    • アイドル時:約21時間
    • 動画視聴時:約13時間

 バッテリーの容量に比例して、駆動時間も半減している。WU6-L1はバッテリー容量を選択するオプションがないため、容量を重視するなら量販店モデルであるUQ-L1を選ぶしかない。


 こうして見ると「軽さ以外にWU6-L1のメリットはあるのか?」と思うかもしれない。しかし、WU6-L1には「メモリ容量を32GBにしたい」「プリインストールOSを『Windows 11 Pro』にしたい」「Microsoft Office抜きで買いたい」という場合でも対応できる。

 バッテリー容量を重視する筆者としては、UQ-L1をベースとするCTOモデルの登場にも期待したいのだが、それはSnapdragonモデル全体の「売れ行き次第」ということになるだろう。

Core Ultra 200Vモデルは「タッチパネル付き」に

 FCCL初のCopilot+ PCは、2025年春発売の「FMV UA-K1」だった。2026年春モデルでは、このモデルのスペックを抑えて買い求めやすくした「FMV U59-L1」という新モデルも投入される……のだが、UA-K1の下位モデルと単純にいえない面もある。

FMV U59-L1 FMV U59-L1は、パッと見でFMV UA-K1と変わらない

 SoCは、UA-K1の「Core Ultra 7 258V」(32GBメモリ)から「Core Ultra 5 226V」(16GBメモリ)に変更された。メモリ容量が半分となった他、CPUコアの最大クロックが下がったことで、発売時の想定価格が30万円弱から24万円弱となった。

 しかし、本モデルはUA-K1のCTOモデル「WU1-K1」にはなかったタッチセンサー付き液晶パネルを採用している。要するにタッチ操作に対応しているのだ。これは本モデルのターゲットの1つである「Z世代」がスマートフォンやタブレットでタッチ操作に慣れていることも踏まえて、「より多くの人に選んでもらえるようにするための改善」だという。

 タッチセンサーは液晶パネル内にある「インセル式」で、外観はタッチセンサーのない従来モデルと全く変わらない。サイズも従来と全く同じなので、タッチ対応だと言われない限り、普通のクラムシェルモデルと区別は付かない。

 なお、本モデルをベースとするカスタマイズモデル「WU1-L1」では、UA-K1相当のスペックにタッチパネルを組み合わせるオプションも選択できる。選択の“幅”が広がったことを歓迎したい。

UQ-L1と並べる Snapdragon X搭載のUQ-L1(左)とU59-L1(右)を並べる。ボディーの部材は共通で、プロセッサのステッカーがなければパッと見では区別が付かない
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー