マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応「Osaka GeN Scramble」(ジェンスク)(3/3 ページ)

» 2026年02月11日 06時00分 公開
[大河原克行ITmedia]
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ジェンスクは万博イヤーの集大成であり新たな一歩に

 2025年の大阪・関西万博の開催に合わせて、大阪府は新しいことへの挑戦に積極的に取り組んできた。eスポーツに着目した背景には、「万博イヤー」だからこそ、新たなことに挑戦する姿勢があった点が見逃せない。

 そして大阪府は、行政だけでの取り組みではなく、OeGGを通じて教育機関、民間企業、関連団体などを巻き込み、関連産業と連携を模索してきた。大阪府内におけるeスポーツの取り組みを、面的に広げていったことがポイントだ。

 OeGGへの参加企業は、当初の20社/団体から14カ月を経過した現在は33社/団体に増えている。大阪・関西万博での各種企画との連動を始め、さまざまなイベントを開催し、具体的な活動につなげている点も注目だ。

 こういった取り組みの成果が今回、大阪府が初めて主催したジェンスクの開催につながっている。

eスポーツ イベント Osaka GeN Scramble ジェンスク 大阪 梅田 グランフロント うめきた広場 大阪eスポーツラウンドテーブル(Osaka eSports Growth Guild/OeGG)のWebページ

 井上さんは「ジェンスクには若者だけでなく、シニア層やファミリー層、子供たちも来場し、多くの人たちにニコニコしながら楽しんでもらえた。主催者としても、eスポーツの可能性を改めて感じることができた」とし、「万博イヤーとして行ってきた活動の集大成が、今回のジェンスクになるが、その一方で、新たなスタートを象徴するものにしたい」と語る。

 ジェンスクではビジネスディが設定され、関連企業や団体などが参加して交流を行う場も設けられた。参加者の半分以上がOeGGの会員以外と見られ、大阪府全体としてeスポーツを軸とした新たな産業への関心が高まっていることを裏付けるものとなった。

 井上さんは「大阪府やOeGGが接着剤の役割を果たし、新たな連携が生まれ、それによって経済効果が生まれることも期待している」と話す。

 また、今後はeスポーツイベントの積極的な誘致にも乗り出す考えを示す。

 民間企業との連携によるイベント開催に加え、将来的には国際的なeスポーツイベントを大阪府で開催することも目指したいという。日本でeスポーツイベントを開催する際に、大阪の名前が最初に上がるという機運の醸成も、「eスポーツと言えば大阪」という都市ブランドには欠かせない。今後はIR(統合型リゾート)との連動を視野に入れた活動も始まりそうだ。

 「eスポーツは家の中で楽しむこともできるが、周囲に見る人がいて、それによって盛り上がるという楽しみ方もある。エンターテインメントの街である大阪には、適している」と井上さんは指摘する。

 井上氏自身も、ジェンスクでの対戦会に主催者代表として参加した。ゲームの経験はあまりなかったが、連日練習を重ねてステージ上でプレイし、一緒にチームを組んだ大学生たちとグータッチで盛り上がるなど、これまでにない体験をしたという。

 「その日に初めて会い、一緒にチームを組むことになった学生たちと、プレイがうまく行くと『イエーイ!』とタッチする。世代を感じさせない楽しい瞬間を体験することができた」と振り返る。

 阪神タイガースが逆転すると、みんなが1つになって盛り上がる甲子園球場のような情景が、ジェンスクの会場でも見られていたのだ。

 井上氏は、「eスポーツ大会の誘致を始めとして、大阪府からの提案を積極化し、民間企業との連携をさらに拡大したい」とする。

eスポーツ イベント Osaka GeN Scramble ジェンスク 大阪 梅田 グランフロント うめきた広場 会場の至る所にG TUNEの実機やマウスパッド、ゲーミングキーボードやマウス、iiyamaブランドのディスプレイが利用されていた

 マウスコンピューターの軣さんが期待しているのは、大阪がeスポーツの広がりにおいて、震源地となることだ。

 「エンターテインメントの街である大阪の方々であれば、eスポーツの楽しさや熱い思いを知ってもらうことで、必ず盛り上がりにつなげてくれると思っている。『eスポーツといえば大阪』という取り組みに全面的に協力し、その成果を元に、大阪から全国へとeスポーツの魅力発信することに貢献したい。マウスコンピューターが店舗や工場がある自治体を始めとして、全国の自治体と大阪府がつながるきっかけ作りにも貢献したい」(軣さん)

 今後の課題は、これまでの活動の成果を次につなげていくことだ。

 OeGGでは、参加企業や団体の拡大によって企業間連携を広げていくことが求められる一方で、大阪府では今後の活動に伴う予算確保という課題もある。

 大阪府におけるeスポーツを軸に成長戦略と産業振興に向けて、これからどんな手を打つことになるのか。そして、その成果が全国にどう波及していくことになるのか。ジェンスクの開催を経て、新たなステージに入ったことは明らかだ。

eスポーツ イベント Osaka GeN Scramble ジェンスク 大阪 梅田 グランフロント うめきた広場 軣さん(左)と井上さん(右)。マウスコンピューターと大阪府との関係は、まだまだ続きそうだ
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