SUPERSTRIKEのカスタマイズは他のロジクールG製品同様、「G Hub」もしくは「Onboard Memory Manager」で行う。G Hubは統合管理ソフトで基本的に常駐状態で利用するが、オンボードモードを利用するとプロファイルをデバイス上のメモリに書き込むこともできる。一方、Onboard Memory Managerはオンボードメモリ専用ツールとなる。
カスタマイズ可能な項目は感度/割り当て/スクロールホイール/HITS構成の4つからなるが、特筆すべきはSUPERSTRIKE特有のHITS構成だ。HITS構成は、さらにアクチュエーションポイント/高速トリガー/クリック触覚フィードバックの3項目に分かれている。
全て左右個別に設定できるので、射撃とADSなど左右クリックの機能に応じた最適化が可能だ。
アクチュエーションポイントは10段階で設定できる。総トラベル距離は約0.6mmなので、単純計算で最短約0.06mmまで浅く設定できる。設定画面ではボタンがどれだけ押下されているのかグラフィカルに表示されるので、実際にボタンを押しながら最適なセッティングを探ると良いだろう。
ユニークなのは、アクチュエーションポイントとクリック触感フィードバックの連携だ。アクチュエーションポイントカスタマイズで先行するキーボードでは、タクタイル感や底打ちのタイミングとアクチュエーションポイントは連動せず、「押している途中で反応する」というフィーリングになる。
しかしSUPERSTRIKEは、アクチュエーションポイントに応じてクリック触感フィードバックが反応するタイミングが変化する。ユーザーの設定に応じてスイッチそのものを付け替えたような感覚だ。
ラピッドトリガー(G Hubでは「高速トリガー」と表記)は、アクチュエーションポイントのカスタマイズよりもさらに高度な機能だ。
アクチュエーションポイントが何mm押下したらオン、何mm上昇したらオフと認識するか、という静的なものであるのに対し、ラピッドトリガーは押下されてオンとされたキーが設定された距離だけ上がったら次の入力を受け付ける、という動的な検知となる。
これもまた、HITSの押下量のリニアな検出によって実現された機能だ。機械式スイッチの場合、オン/オフの境界が一点になるため、その周辺でオン/オフを繰り返すチャタリングを起こしかねない。それを回避すべく、一定時間内に複数のオン/オフが発生しても最後の状態だけを有効にするデバウンス処理を行うが、これによってボタン連打の上限が決まってしまう。
だが、HITSの場合はチャタリング防止としてのデバウンス処理が不要であり、かつラピッドトリガーによって次の入力に必要な戻り距離を短縮することができる。ボタンを押し込む速度は人の操作でコントロール可能だが、戻る速度はバネなどの復元力に依存する。
プレイヤーの反応速度を阻害する要因がまた1つ取り除かれ、クリック操作はもはや単なる物理的イベントではなく、より身体感覚に近い反応へと進化したと言えるだろう。
クリック触覚フィードバックはオフを含めて6段階に設定できる。オフにすると本来のボタンそのものの、静音マウスが出始めた当時のようなクリック感のないフィーリングになるが、実際に試してみると深い位置まで押し込む際には割と重めの荷重が必要なようだ。
この状態でアクチュエーションポイントを浅くすれば、理論上は入力判定の機械的なタイミングは最小化されるはずだ。しかし、触覚がない分、押下成立の体感を伴わないため、リリースや次の連打において人間側の操作が安定しづらくなるというトレードオフがある。
個人の好みに大きく依存するところではあるが、今までにない新たなチューニング軸が登場した点は非常に興味深い。自分のセッティングが合っているのかどうか、他の人はどういったセッティングをしているのか、気になる人も多くなりそうだ。
そこで活用できる機能が、HITSコードだ。HITSコードはHITS構成をコード化したもので、コミュニティー内で簡単にHITS構成を共有することができる。とは言うものの、HITS構成自体それほど多くのパラメーターはなく、HITSコードによる恩恵もあまり感じなかった。
その一方で、感度についてはG Hubのコミュニティーで公開されているセッティングをダウンロードして利用できる。設定によって共有方法が異なるのは、やや混乱しそうだ。
筆者はFPSプレイヤーではないが、それでも浅いアクチュエーション設定でのレスポンスの速さははっきりと分かるレベルだ。G Hubでグラフィカルに表示される押下量を見ながらチューニングをしていくと、カチカチというクリック音が耳で聞いて分かるレベルで高速化される。SUPERSTRIKEはプロプレイヤー向け、とされてはいるが、一般プレイヤーに対する恩恵もかなり大きいと感じた。
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