無線で6DoFを実現する希少なXRグラス「MiRZA」をチェック 独自の光学系とドコモ新体制で描くビジネス活用の未来:武者良太の我武者羅ガジェット道(4/4 ページ)

» 2026年03月04日 15時00分 公開
[武者良太,ITmedia]
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「視野角45度」に見る業務用途への最適化

 対角視野角は45度に設定されています。現行のバードバス方式が50度超を実現し、次世代機では70度級が視野に入る2026年の市場環境において、この数値はエンターテインメント用途としては没入感に欠ける印象を与えます。

photo カメラ越しに見ると、表示されている映像が分割しているように見える

 しかし、業務用途では評価が逆転します。現実空間の情報とデジタルデータを照らし合わせる際、広すぎる視野角は過度な眼球運動を強いて疲労を招く恐れがあります。45度の適度な範囲は、視認性の確保とUI設計の簡素化において、実用的なバランスといえるでしょう。

photo 実際の眼には分割されることなく、一体感のある映像があるように見える

接続環境におけるAQUOS限定のボトルネック

 MiRZAはスマートフォンと無線接続して使うデバイスとなりますが、公式サポートはAQUOS R9/R9 Pro/R10の3機種にとどまっており、仕様上の「Snapdragon Spaces対応」を条件に他社製端末を試行しても、専用アプリ上で認識されないケースが確認されています。この閉鎖的なエコシステムは、幅広い導入を阻む要因となっています。

photo 近年のAQUOS R系スマートフォンのみにしか対応していないのは課題といえる

 よって現時点ではアプリ開発の検証段階であっても、MiRZA本体に加えて特定のAQUOS端末をそろえる必要があります。本体価格24万8000円(税込)という設定は業務用として妥当ですが、端末調達費や最適化工数の増大は無視できません。また、日本国内仕様に限定されており、グローバル展開を視野に入れたプロジェクトでは注意を要します。

2026年4月、NTTドコモ直系体制への移行

 MiRZAの製造・販売を担うNTTコノキューデバイスは、シャープのハードウェア知見とNTTグループのネットワーク技術を融合させるべく、2023年に設立されました。

photo 付属する遮光/半遮光のシェードはマグネットで固定される

 その後、2026年2月に発表されたNTTドコモによるXR事業の再編方針に基づき、NTTコノキューの清算と事業のドコモ本体への移管が決定。NTTコノキューデバイスも2026年4月1日より、ドコモの直接の子会社として新たなスタートを切ることとなりました。

 MiRZAはワイヤレス6DoFのXRグラスという、現時点で希少な強みを持ちます。一方、対応スマートフォンがAQUOS系の一部に限られるボトルネックが存在しています。

 NTTドコモ傘下として事業を継続するなら、次に期待したいのはシャープ以外の端末を含む動作確認方針の公開、サポート情報の整備、そして対応機種拡充のロードマップの明確化です。これが出てくれば、施設案内から現場作業支援まで「日本発の業務XRグラス」として選ばれる土台が整います。ドコモ体制への移行は、その機会になりうると考えますが、さあ、どうなるでしょうか。

【訂正:2026年3月5日午前11時45分 NTTコノキューデバイスとNTTドコモの関係に関する記述について、より正確に表現を改めました。また、初出時に「視力補正レンズ(オプション)もマグネット式だ」と記載しておりましたが、正しくは「MiRZA度付きインサートレンズもグラスの内側へはめ込む形式」でした。訂正しておわびいたします。】



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