「やまやま」と「くすくす」の原案が生まれるまでのプロセスには、キャラクターデザインを手掛けるクリエイターも参加している。具体的には約2500点生成された画像からのキーワードの絞り込み、絞り込んだキーワードから生成された画像を元にしたキーワードのさらなる絞り込みにも関与したという。
「やまやま」の原案は、富山市から一望できる「立山」と、同市内を走る「路面電車」をキーワードにして生成された。しかし「雲で立山が見られない日も多い」という意見があったため、雲を追加で生成したという。
最終原案をもとに「やまやま」のキャラクターデザインを始めようとしたところ、類似チェックのプロセスで類似キャラクターの存在が明らかとなったため、クリエイターのアイデアにより「路面電車の靴」は「路面電車のスケートボード」に修正された。
そのついでに、「路面電車のスケートボード」のカラーは富山地方鉄道の軌道(路面電車)向け車両をモチーフにしたものに変更された。
「くすくす」の原案は、富山市の周辺地域における伝統産業である「薬」と、薬を入れる瓶の材料となる「ガラス」をキーワードにして生成された。色合いは、富山ガラスの1つである「コシノヒスイ(越翡翠)」を参考に設定したという。
なお、「やまやま」の色合いは、「くすくす」の色合いを参考に調整が加えられている。この点は“人手”ならではの工夫といえる。
画像生成AIには「学習元データの不明瞭さ」「生成された画像の権利」といった権利回りの課題がある。
この点は富山市も認識していて、今回の取り組みに当たって複数の画像生成AIを比較検討している。その結果、権利保護の面での取り組みがしっかりとなされている観点からAdobe Fireflyを選んだそうだ。
なお、完成した「やまやま」と「くすくす」の権利だが、著作権は作成したクリエイターに帰属する。一方で、富山市はイメージを著しく変更しない限り、キャラクターを自由に利用できる権利を保有している。
インタビューの最後に浅野さんは「(キャラクター作りで)アイデア出しに生成AIを使ったとしても、最終的にはクリエイターの知見が必要だ」と語った。
今回の富山市の取り組みは、「クリエイターと生成AIの“Win-Winな関係”」を模索する上で1つのモデルケースとなるのかもしれない。
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