M-SHIROW1は約67(幅)×106(奥行き)×38(高さ)mm、重さは約78gと、日本人の手になじみやすい小ぶりなサイズだ。接続方式は24年前のUSB/PS2有線接続からBluetooth Low Energyによるワイヤレス接続に変更され、蓄電デバイスとしてキャパシターを内蔵している。
センサーには省電力性に優れたIR LED(赤外線LED)を採用しており、1回の満充電で最長約45日の使用が可能だ。ただし、Type-C充電ケーブルは付属しない点には注意が必要だ。
底面には電源スイッチ、DPIボタン、ペアリング/接続先切替ボタンとLEDが2つある。最大3台のペアリングに対応しており、ボタン長押しでペアリング、通常押しで接続先を切り替える一般的なインタフェースだが、接続先を示すLEDは1つで、3秒間点灯すれば接続先1、1秒ずつ2回点灯すれば接続先2、0.5秒ずつ3回点灯すれば接続先3と、やや分かりづらい。
DPIは5段階で、こちらはもう1つのLEDが1〜5回点灯する。DPIのプリセット変更はできないようだ。
本体を手に取ってまず気付くのは、この造形が持つ独特の文法だろう。マットな水色の大きな曲面ボディーに、ドット模様のツヤのある右ボタンパーツが嵌合している。
本体各部を区切る深いモールドは、工業製品のパーツ分割ラインというよりも、鍛え上げられた筋肉にカットが入ったときに浮き出る筋腹の境界のように見える。ヒトの右手を単体で見れば非対称であるように、このマウスもまた左右非対称だ。
ただし、M-SHIROW1シリーズは人間工学的に追求されたもの、つまり、エルゴノミクスデザインではない。ユーザーの身体にぴたりとはまる、というものではなく、むしろ身体自身をデザイン化したような感覚がある。この有機的な曲面と硬質なパーツが共存するフォルムには、士郎正宗氏が長年描き続けてきた義体を思わせる感覚がある。
2002年版からの外観上の大きな変化は主に2点ある。1つ目は左サイドの進む/戻るボタンの追加だ。伝わりにくい表現で恐縮だが、前モデルはどことなく「礼」という漢字のような印象があった。斜めに払うような曲面に空間を「切り取る」シャープさを感じたのだが、今回のモデルでは逆に膨らみとなっている。
士郎氏によると「追加ボタン操作によって『親指の疲労度を上げるかもしれない負要素』とみなし、『親指の屈曲変化量と挙動作の労力』が低強度になるよう滑らかに変更」とのことで、「用」に寄せた変更だったことがうかがえる。
一方で、仕様変更については「僕の発案やオーダーではありません。エレコムさんには基本的に『今風の仕様』だと聞いています」とも述べている。全ボタンとも静音仕様だが、進む/戻るボタンは左右ボタンに比べるとストロークがやや長めの印象だ。
もう1つの変化は接続方式に伴うもので、ケーブルを保護するブッシュパーツがUSB Type-Cポートへと置き換わった。この部分も2002年版では士郎氏のデザインであり、マウス本体からケーブルが伸びている、という印象が強かったが、復刻版ではシンプルなコネクターに代わり、マウス本体「に」ケーブルを接続する、という逆方向の印象になった。このあたりは規格の制限などもあって、デザインの自由度も狭いのかもしれない。
とはいえ、復刻版であるが故に、全体の印象は前モデルと大きくは変わらない。むしろ、今回はカラーリング変更のインパクトが大きいのではないだろうか。
2002年版ではツートンカラーで構成されたシルバー、ブラック、ホワイトの3つのバリエーションだったのに対し、今回はブラック、ブルー、ホワイト単色での構成だ。
その中でも注目されているモデルは新色のブルーだろう。同社の製品ページの写真ではライティングがかなりくらめに設定されていることもあって、特にタチコマの印象が強いが、実際の印象はかなりポップな水色寄りだ。
士郎正宗氏の監修を基に調色された新色ということではあるが、人によっては安っぽい印象を持つかもしれない。
マウスのカスタマイズは、専用ソフト「ELECOM Mouse Assistant 6」で行う。パッケージの内箱に印刷されたサークルモチーフがアニメーションするなど、世界観に合わせた専用UIが用意されており、各ボタンへよく使う機能を割り当てられるほか、アプリケーションによって設定を切り替えるアプリケーション連動プロファイルにも対応している。
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