Gemini搭載「Google Home スピーカー」は買いか? 6年ぶりの新モデルを試して分かった賢さと課題が見え隠れする“次世代機”の現在地:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/3 ページ)

» 2026年06月24日 22時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]

音声を10種類から選択可能 壁掛け非対応はネックか

 セットアップのプロセスはシンプルで、Google Home アプリを起動し、新規デバイスの追加から画面に沿って行っていくだけで済む。声を10種類から選択できるのは、これまでになかったプロセスだ。注意点があるとすれば、本体底面のQRコードを読み取る必要があるので、実機を手元に置いて行わなくてはいけないことくらいだ。

Google Home アプリ Google Home アプリで新規デバイスの追加を行う。本体裏にあるQRコードをカメラで読み取って先に進む(左)。スピーカーの検索→接続が行われる(中央)。使う場所を選択する(右)
利用するネットワークを選択し接続する 利用するネットワークを選択し接続する(左)。設定内容を確認して「完了」をタップ(中央)すればセットアップが完了だ。全体的にはシンプルなフローとなっている(右)
音声アシスタント「Gemini for Home」の利用を許可 音声アシスタント「Gemini for Home」の利用を許可する過程で、10種類の中から好みの音声を選ぶことができる

 セットアップを終えて実際に設置してみての感想だが、どこが正面なのか分かりづらいという、従来モデルでも指摘されていたユーザビリティー上の問題に全く手を付けられておらず驚かされる。本製品は天板の左右をタップして音量調整を行うのだが、正面の向きが分かりづらいということは、つまり音量調整で(少なくとも初手では)誤操作する可能性があるということだ。

 タップした時に点灯する天板左右のLEDの位置から判断することは可能なのだが、これらは普段は消灯したままなので、通常状態で前方から見ただけでは、正面なのか、斜めを向いているのかが判断できない。ハードを何世代も重ねながら、いまだにこのレベルの問題が改善されていないのは、ある意味で驚かされる。

これは正面から見たところ これは正面から見たところ。慣れてくるとメッシュの目の向きで判別できるが、初見では手がかりがなく判別はまず不可能だ
天板左右をタップするとLEDが点灯する 天板左右をタップするとLEDが点灯するので向きが分かるが、これもタップするまでは点灯しないので手がかりとしては不十分だろう

 その一方で音質は向上している。従来モデルにあたるGoogle Nest Miniが手元にないため同一条件で聞き比べたわけではないが、ドライバが40mmから58mmに変更されているとのことで、YouTube Musicを試した限りでは、音にメリハリがあり、明らかに別物だ。デスク脇に置いておくスピーカーとしては非常に優秀な部類に入るだろう。75mmウーファーと19mmツイーターを搭載していたNest Audioには及ばないが、サイズ的には仕方ない。

 また2台をペアにしての出力にも対応しているが、これは同社の「Google TV Streamer」が必要になるとのことで、かなり限定的な機能だ。このあたり、AmazonのEchoシリーズの同等機能を大いに意識しているように感じられる。

 この他、スマートホーム関連ではThread 1.3のボーダールーター機能を備え、Matterのハブとしても利用できる。

 気になったのは、従来のGoogle Nest Miniのように壁掛けができないことで、一部のユーザーにとっては致命的だろう。かつてAmazonのEcho Dotでも起こった問題だが、モデルチェンジで形状が変更されたことで、これまでの設置方法が取れなくなってしまうのは、ユーザーにとっては後継機種はないと宣告されたに等しい。サードパーティーから何らかのアクセサリーが登場することを期待したい。

Gemini採用で自然な会話が可能に ただし話がかみ合うかは別問題

 さて本製品の最大のポイントは、初期状態でGemini(Gemini for Home)が使えるようになっていることだ。

 「OK、Google」ないしは「ねぇGoogle」というウェイクワードを発しなくてはいけない点は従来と同様だが、これまでのGoogle アシスタントからGeminiへと交代したことで、従来のように音声アシスタントが判別できるフォーマットにのっとった呼びかけではなく、自然な会話が行えるようになった。歴史を振り返った際に「Gemini登場以前」「以後」で分かれるくらいの大幅な進化だ。

 ただし、過剰な期待は禁物だ。これほど雑な呼びかけでもきちんと応対してくれるのか、と感心したのも束の間、とんでもなく的外れな回答を延々としゃべり続けたりするので、会話の半分が「違う」「いやそうじゃなくて」というツッコミになりがちだ。

 また、Aという事柄について教えてとリクエストした時に、AそのものではなくAを知るための手段や方法を回答するといった掛け違いも非常に多い。

 このあたり、定型の会話しかできないものの脱線はしなかったGoogle アシスタントとのやりとりに慣れていればいるほど、最初のうちはかみ合わない会話にドッと疲れるのは必至だ。おそらく使い続けていけば慣れるはずだが、人間が慣れるのか、それともGeminiの側が慣れるのかは、実際に使い込んでみなければ分からない。

Geminiの紹介にある会話例 Geminiの紹介にある会話例。これまでは不可能だった自然な会話が可能だが、それゆえいったん脱線すると的外れな回答を延々としゃべり続けて修正に苦労することも

 なお本製品とやり取りしている間は、本体底面のLEDリングが点灯する。AmazonのEchoシリーズとよく似た(というよりもそっくりな)仕組みなのだが、本製品はこのLEDリングの色によって、現在が「聞き取り中」「思考中」「応答中」のいずれのステータスかを判断できるようになっている。

 スマートスピーカーでは反応を待っているつもりが既に回答が終わっていたり、その逆だったりということがあるが、この色を見ればそれも判別できるというわけだ。これを応用すれば、ステータスを確認した上でウェイクワードを省略して会話を継続する、といったこともできる。

 余談だが、Googleの新しいノートPC「Googlebook」にも同じギミックが導入予定とのことで、今後1つのシンボルとなっていく可能性がある。

応答中はLEDが点灯する 応答中はLEDが点灯する。AmazonのEchoシリーズと同様に、色によって状態を判別できるが、本製品はさらに対応ステータスを判別できるようになっている

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