ディスプレイをチェックしていきましょう。最近よくあるカラーキャリブレーション報告書は、本機にも添付されています。
手元の測色機で測ると、Adobe RGBを少し優先した、P3系にも十分対応できるディスプレイなのが分かります。デフォルトのカラーモードはAdobe RGBになっています。オンラインでの活動やゲーム制作などに利用したい場合には、事故の少ない標準的な発色のsRGBを選ぶか、広色域を利用したいならば設定や利用法を勉強しておくのがおすすめです。
個人的には、スマホのような小画面よりも、大画面の120Hzの方がありがたいです。大型の液タブで120Hzを体験するのは久しぶりですが、マウス操作時はカーソルも見やすくなり、アプリやブラウザのスクロールも見やすくなるのはやはりうれしいです。
本機は10点マルチタッチにも対応しています。Windowsのペイントアプリでは本当に10本同時に線が引けるのを知っていますか?
それはともかくとして……。
従来のタッチ対応液タブには、主にパームリジェクション(手のひらでのタッチを拒否する制御)の完成度によって、実用性がまちまちになってしまう課題がありました。ペンを持った手を画面に置いたら誤爆して変な操作をされてしまったり、不要な線が引かれてしまったりなどです。
本機は、ペンが検知範囲内にある時にタッチを拒否するという基本的な制御以外にも、手の側面をペタッと置いた時にもタッチを拒否する制御も入っていて、確かな進歩を感じます。
一方で、汗でしっとりした綿手袋では誤爆してしまったり、一度拒否判定になってから手を離すまでは拒否し続けるような制御がないために、絵の様子を見るために手を傾けると誤爆してしまうなど、自分が使い慣れているワコムの「Cintiq Pro 17」の完成度と同等とまでは言えなさそうです。
本機のドライバアプリにも、タッチ操作の実用性向上への取り組みがあります。画面のある範囲だけタッチ無効にしたり、クイックメニューにのみタッチが効くように設定できます。これらを駆使すれば、制作中は確実に誤爆を避けながら、タッチ対応の恩恵を受けることもできるでしょう。
後の実用テストでは自分のCintiq Proに甘やかされた操作ではタッチの誤爆が起きましたが、本機でちゃんと慣れて、必要に応じてアプリやドライバの設定をすれば、作業効率を犠牲にせずにタッチ操作の恩恵を受けるのは可能だと思います。
もちろん、完成度はCintiq Proと互角になってほしいですが、本機もひとまず実用的になっているのは喜ばしいですね。
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